たぶん嫌い(赤仁期間)

※切原独白+におびっち+切原酷い


三年の仁王雅治といえば、あまりいい噂がある人物ではない。誰とでも寝るとか、お金で買えるとか噂は色々。これは一部の例にすぎないけど、彼には常にこんな噂が付き纏っている。それも全部、男にしては綺麗すぎる容姿の所為なのか、と思ったこともあった。実際に俺は噂の真意はしらない。

襟袖に届くか届かないかくらいの銀糸に、少しだけ伸びる長めの髪。惹きつけるような黄金の瞳。すっと通った鼻。形のいいきれいな唇。

そこらへんに居る女子よりも綺麗と言われれば確かに頷ける。体格は細身だし、肌の色も白い。何より、八頭身で小顔という女なら誰でも嫉妬してしまいそうな理想体型をしている。別に興味なんかないのに、なんで自分は彼のことをこんなに知っているのか。これもまた、俺自身にだって解らない。

話はするけど、内容は完結且つ業務的。テニスの練習の時に言われて組んで試合したり。言ってしまえば、レギュラーの中で俺が一番彼と話していないだろう。まぁ要するに、それだけの関係というわけだ。
だから、どうして俺が彼の噂を聞く度に聞き耳を立てて、抱き心地が良かっただの淫乱だっただのって聞いているのがわからない。

でもつまりは、俺が言いたいのはこういうことだと思う。あくまで結論ってやつを述べれば。


俺は仁王雅治が嫌いだ、ということなんじゃないかって思う。だからきっと、なんとなく気になるんじゃないかな、なんて思った。



(2011.1.12.Poncho Shiramine)
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