ぱんつ

(高校3年生×高校2年生)

PM7:30、コンビニにて。

「ようちゃんお菓子買おう」
「はいはい」
「ようちゃんジュース買おう」
「はいはい」
「ようちゃんデザート買おう」
「はいは…太るぞ、流石に」
「う…。じゃあ、このプリンだけ」
「おー、2個な」



今日は小羽の実家に泊まる。そのために必要なものの買い出しでここに来た。

今まで何回か遊びに行ったことはあるが、お泊まり、ってのは初めてで。お互い妙にテンションが上がる。まぁ、俺としては色々期待したいところだが、今日は小羽の母ちゃんもいるようなので、なるべく自重しようとは、思っている。

…隠れてちょーっと触るくらいなら許されっかな、なんて如何わしいことを考えてトリップしていたら、小羽の俺を呼ぶ声に現実に引き戻された。

「ようちゃん!見て!」
「何を…」
「この本の付録!」
「な!」
「JKの使用済みパンツだって!」


……………。



じぇいけーのしようずみぱんつだって!



「ななな」
「すごくない!?」

何を見てんだお前………!

何が凄いんだよ。全然凄くねーよ。つーかどこに目つけてんだよ。可愛い声でそんなこと言うなよ。ツッコミどころが多すぎてどうしていいかわかんねーよ!


「うわー、どうなってるんだろうね、これ」
「オラ、もう行くぞ」
「え!ようちゃんいらないの?」
「い、ら、ね、え、よ!」
「あ、18才以下だからか!」
「以上になってもいらねっつの」
「そうなの?…JK好きって言ってたのに」


そ の 話 引 っ 張 ん な !



わけがわからないというような小羽を引っ張ってもう一度デザートコーナーに戻り、プリンをもう1つカゴにいれた。

「あれ、もう1個買うの?」
「お前の母ちゃんの分」
「あ、そっかぁ。ありがとうー」

将来のことを考えると少しでも気に入っておいてもらいてーからな。…高校生が何言ってんだってかんじだが、今は小羽以外考えられない。



会計を済ませ、コンビニから小羽の家まで手を繋いで歩く。寮の奴らは今頃風呂かな、なんてぼんやり考えていると、小羽がまたさっきの話題を振ってきた。

「ねー、どうしてパンツいらないの?」
「まだ言うか」
「だってJK好きだって」
「あのな、どこぞの、しかも本当にJKかどうかもわかんねー奴が履いたパンツなんて誰が欲しがんだよ。そんなの買うくらいだったらなあ、小羽のを金出して買うわ!」
「……………」
「言わせといてドン引きすんな!」


すっと離れていきそうになった手を捕まえて、さっきより強く握った。

「ようちゃんの変態」
「お前限定だから許して」



少しの沈黙のあと、もう一度握り返してくれた小羽の手に酷く安堵した。





20120817



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