(大学1年生×高校3年生)

「ぎぃやぁああぁあ!!!」
「………あ?」

明日はオフなので、夕方練習が終わった後から小羽が俺の家に泊まりにきた。一緒に風呂入ろうという俺の意見を小羽は断固拒否して、ひとりで風呂場に向かった。

はずだった、が。



「ようちゃんんん!!!」
「な、なんだよ」

先程の奇声とともに、物凄いスピードで俺の前に戻ってきたのだ。半泣きで。泣いているんだか怒っているんだかよくわからない小羽に少しだけ圧倒される。

「出たの!」
「出た?何がよ」
「じー!」
「じー?」
「Gだよ!!」
「あー…」

ついに、俺の家にも出たか。


じー、の意味を理解した俺はのろのろと腰をあげる。武器は…この読み終わった雑誌でいいか。



「早く!」
「わーってるっつの」

…正直なところ俺だって出来ればヤツを見たくないし、退治だってしたくない。が、そんなこと言えるはずもなく。

嫌なことが待っているとわかれば足取りは自然と遅くなる。そんな俺の背中を小羽は全力で押していて。畜生、ここに沢村がいれば。退治から後始末まで全部押し付けてやるのに。



「ほら、あれ!」
「げっ、思ってたよりでけぇ…」
「ようちゃん頑張って!」
「………っ」

覚悟を決めて、大きく振りかぶる。振り下ろされた武器はバァン!と良い音をたてて、ターゲットに見事命中した。

「…ふー」
「流石だよ、ようちゃん」
「まだだ」
「はい?」
「まだ、後始末が残ってんだろ…」
「あああ…!」

そう、俺たち(正確に言うと俺のみ)はこのブツを包んでポイしなければならないのだ。言い回しが妙に可愛いのは気にするな。俺は今いっぱいいっぱいなんだ。
















その後、なんとかあーしてこーして処理を終えた俺に待っていたのはなんと。

小羽から直々に一緒に風呂に入らないかというお誘いだった。二つ返事で頷いた。頑張って良かった、マジで。思う存分堪能させていただこう。戦場から帰ってきた戦士へのご褒美だ。





20120812

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