コンビニ

(大学2年生×短大1年生)


「いらっしゃいま…、ようちゃん!」
「よー」

夏に色々揉めたが、小羽は結局コンビニのバイトを始めた。ここはかなりシフトに融通がきくらしい。それでも俺はかなり渋ったが、最終的には根負けした。

小羽がバイトに入っている日は大体コンビニに顔を出すようにしている。心配だから。変な奴に目つけられてねぇか、絡まれたりしてねぇか。夜道だってひとりで歩かせられねー。…他人(御幸とか御幸とか、御幸とか)に過保護だと言われたって(久々に連絡してきたと思ったらロクなこと言わねぇ奴)気にしたりしねぇ。小羽第一、だ。


今日も今日とて、小羽が上がる時間の10分前に来店。制服姿も可愛いな、畜生。未だにときどき、やっぱり許すんじゃなかった、とか思ったりする。





「あ、ねー!見て見て!」

と、自分の左胸を指す小羽に呼ばれて思考が現実に戻ってきた。なんだ?お前のそこはいつも通り慎ましやかな大きさだぞ。割りと頻繁に揉んでやってっけどでかくなったりしてねーぞ。

「…胸がなんだよ?」
「え、わかんない?」
「でっかくなった?」
「なってない」
「まぁ、だよな」

失礼な!と憤慨する小羽はとりあえずスルーして、もう一度左胸の辺りを見やる。………あ。

「"研修中"がなくなった?」
「あったりー」

そうだ、あの名札の下にあった丸くてでかいアレ。とれたのか。良かったな、ださいもんなアレ。

「今日から一人前なのです」
「ふーん」



ご機嫌な小羽とレジ前で談笑する。見せつけてやろうと思ったが他の客はいないらしい。



「なぁ、一人前の店員さん?」
「はい!」
「小羽ちゃんひとつ。テープでいいです」
「当店では扱っておりません」
「…じゃあ、ここの店員さんひとつで」
「てんちょー!」
「ばか、なんでだよ!呼ぶな!」

ぎゃーぎゃーアホみたいなやりとりを続けていると、おじさんとおじいさんの間のような店長が本当に出てきてしまった。なんかニヤニヤしながら。



「ぜんぶ監視カメラで見てたよー、テープでいいかな?」



と自分の左腕にテープを張り付ける店長を見て、小羽と一緒に爆笑した。ノリ良すぎだろ。

まぁ、良いバイト先なのかもな。認めてやっか。



「今日は3人で帰ろうか、ようちゃん」
「そうだね、ようちゃん」
「ちょ、マジやめてください…!」





20120922

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