―14―
「伝説のポケモンたちに力を借りる。
シゲルたちは早くここから離れてくれ。」
「サトシ、だけど…っ!」
「……頼む。
こんなことになったのも俺が操られたせいだ。
けじめ、つけないといけないんだ。
それに俺はシゲルたちを巻き込みたくない。」
「……僕はサトシの…!」
「行くぞ。」
「シンジ!?
何を言ってるんだ!?」
「伝説のポケモンたちに力を借りなければならないほどの事態が起こっているこの状況で自分の感情を優先させて状況が更に悪化したらどうするつもりだ?」
「それは…っ!」
「シンジの言う通りだよ、シゲル。
失敗は許されないんだ。
だから、早くここから離れてくれ。」
「ピカピ…。」
「ピカチュウもシゲルたちと一緒に離れてくれ。」
「…ピカピ…。」
不安そうにサトシの顔を見上げるピカチュウに視線を合わせるように屈んだサトシはピカチュウの頭をそっと撫で、ゆっくりと立ち上がるとシゲルたちに背を向けてパルキアたちの方に向かって歩き出した。
「行くぞ。」
「………。」
背を向けたサトシを見つめたシゲルは何かを考えるように目を閉じ、そのあとそっと目を開いた。
そして、シゲルはシンジの後を追いかけるようにヒカリたちのいる方へ歩みを進めた。
…その瞳にある決意を宿しながら。
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