―10―
「行かせないわ!」
「アカギ様の邪魔はさせない!」
「雑魚とは言ってくれるな!」
「あなたたちの相手は私たちよ!」
「シゲルとシンジを止めたいなら俺達を倒してからにするんだな!」
「私たちは簡単には負けないわよ。」
「くっ…!」
「チャンピオン相手じゃこちらの分が悪い。」
「クソッ!!」
先へと駆け出したシゲルとシンジに攻撃をしかけたサターンたちだったが、シロナたちに妨害されてしまった。
そして、その隙をついてシゲルとシンジはサトシとアカギの元へ向かった。
「うぁあぁあぁああーーーッ!!」
焦る気持ちを抱えたまま、サトシの元に向かうシゲルとシンジはサトシの悲痛な叫び声を聞いて、スピードを更にあげた。
これ以上、サトシが苦しむところは見たくなかった。
アカギがサトシの頭に手をかざした瞬間、辺りを赤い光が覆い尽くした。
赤い光に包まれたサトシは苦しそうな声をあげていた。
「サトシをアカギから救い出す!
シンジ!力を貸してほしい。」
「わざわざ確認するようなことじゃない。
俺はアカギに攻撃をする。
お前はアイツを…、サトシをアカギから奪い返せ。」
「もちろんさ!」
「ドンカラス、サトシをアカギから引き離せ。」
シンジはすかさずボールからドンカラスを出すと、サトシと引き離すよう、指示した。
ドンカラスがアカギに向かっていく中、アカギはニヤリと笑うと、その攻撃を簡単に避けた。
だが、サトシから引き離すことが出来、シゲルはサトシを背後に庇うように立った。
「神域なる場所があったとはな…。
まさか御子の力が及ばぬ場所があったとは、計算外だった。」
「…!」
「なんでそれを!?」
「御子から聞いたからに決まっているだろう。」
「バカなことを言うな。
アイツの意志も心も何もかも封じたと言ったのはお前だろう。」
眉を寄せながら言ったシンジの言葉にアカギは鼻で笑ったあと、口を開いた。
「御子の記憶のみを解放し、情報を提供させた。
だが、危惧していた通り、御子の心までも解放してしまった。
だから赤い鎖の力でねじ伏せ、話させた。」
「なんてことを…!
サトシを何だと思って…、…サトシ…?」
アカギの言葉に激昂するシゲルは背後に庇っていたサトシが何か動きを見せたことに気づいて、振り返った。
「サトシ!!」
シゲルが振り返った瞬間、サトシは忽然と姿を消した。
「ククク…。
バカが。
なぜ、私がお前たちに何をしたか説明するのかを考えなかったのか?
時間稼ぎをするためだとは考えなかったのか?」
「まさか…!」
目を見開いたシゲルにアカギは心底おかしそうに笑った。
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