―7―
「御子、ここにパルキアとディアルガを呼べ。」
「……………。」
シゲルたちが、サトシを助け出すために行動する中、アカギたちはある場所にサトシと共にいた。
そこは遺跡のような場所。
そこでアカギに命令されたサトシは再び意識を集中するために目を閉じた。
「もし御子が見つからなければアグノム、ユクシー、エムリットを赤い鎖で操り、パルキアとディアルガを呼ばせる予定だったが…、御子の力のおかげで計画を早く進められた。」
「新世界までもう少しですね、アカギ様。」
「ククク、私の計画にずいぶんと役に立ってくれたものだ。」
満足げに笑みを浮かべるアカギにサターン、マーズ、ジュピターも同じように笑みを浮かべた。
「………………。」
だが、その笑みもすぐに崩れることになる。
「どういうことだ…?」
笑みを浮かべていたアカギは前方を見て眉を寄せた。
サトシの力で現れるものだと思っていたパルキアとディアルガが一向に姿を見せない。
サトシも閉じていた目を開け、ぼんやりしているだけで、アカギたちは予想外の展開にただ困惑するしかなかった。
「どういうことだ!?
御子の力があれば神でさえも意のままに操れるのではなかったのか!?」
「アカギ様、御子が赤い鎖の力に抗っている可能性は?」
「その可能性はない!
文献からも、何人たりとも赤い鎖の力に抗うことは不可能だと書かれていた。
…御子ではなく、パルキアやディアルガに何かが御子の力が及ばぬような細工をしたと考えるべきだろう。」
「アカギ様、どうなさいますか?」
「クソッ!!
もう少しだと言うのに…!
一体誰が邪魔をしているというのだ!?」
心底悔しそうに顔を歪めるアカギと、打つ手が思い浮かばないサターンたちはただ困惑するばかりだった。
そして、アカギたちが苛立つ中…、サトシは虚ろな瞳を浮かべたまま、ただ立ち尽くすだけだった……。
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