―5―
「あれは…!」
「アルセウスが言っていた伝説のポケモンたちね。」
雄叫びが響き、そちらへ視線を向ければ、そこにはアルセウスから協力を頼まれ、シゲルたちの元に来た3体のポケモンがいた。
「ファイヤー、サンダー、フリーザー!」
「来てくれたのね!」
シゲルたちの前に現れたのはファイヤー、サンダー、フリーザーだった。
喜ぶシゲルたちと操られて苦しむエンテイたちの間にふわりと降り立ったファイヤーたち。
ファイヤーはエンテイ、サンダーはライコウ、フリーザーはスイクンと対峙していた。
「私達も協力して…、」
「待って、ヒカリちゃん。
逆に私達が出ても足手まといよ。
出来るとしたら、ファイヤーたちを軽くサポートするくらいだわ。
それに、ファイヤーたちが頑張ってくれている間にサトシくんがどこに連れていかれたのかを探った方がいいわ。」
モンスターボールを片手に一緒に戦おうとするヒカリをシロナは止めた。
伝説のポケモン同士の戦いに割って入ったところで逆にファイヤーたちの足を引っ張ってしまう可能性もある。
ならば、自分達は出来ることをした方がいいのではないかと考えた。
「空から探らせるしかないな。
ドンカラス、ヘリコプターを探せ。」
「あまり数を多くすると、ギンガ団に気付かれてしまうわ。
ヘリコプターの捜索はシンジくんのドンカラスと…サトシくんのムクホークに任せましょう。」
そう言うと、シロナはサトシのモンスターボールからムクホークを出し、ヘリコプター捜索を頼んだ。
ムクホークとドンカラスがヘリコプターの消えた方角へ消えていったのを確認すると、シゲルたちは目の前で対峙するファイヤーたちへ視線を向けた。
そして…、エンテイ、ライコウ、スイクンが雄叫びをあげたのと同時に、戦いの火蓋が切って落とされた。
「(私が…彼らに捕まらなければあの子が危険な目に遭うこともなかった…。
私のせいだわ…。
何としてもあの子を…、サトシを助け出さなきゃ…。
もし…、もしサトシに何かあったら私は…。
サトシ…、お願い…。
どうか…無事でいて…。)」
激しい戦いを繰り広げる中、ポケモンを持っていないハナコは祈るように顔の前で手を組み、ただただサトシの無事を願った。
「ママさん、サトシは必ず僕達が助け出します。」
「…!
シゲルくん…。」
目の前で激しい戦闘が繰り広げられる中、シゲルはハナコに向かってそう言葉をこぼした。
その言葉にハナコは弾かれたように顔をあげ、シゲルを見た。
「サトシもきっと必死に戦っていると思います。
サトシがこんなことを望むはずがない。
だから僕達は一刻も早くギンガ団たちからサトシを救い出さなければならない。
今は…サトシを助け出すことだけ考えましょう。」
「…ええ。
ありがとう、シゲルくん。」
サトシのことを強く心配するハナコに気付いたシゲル。
自分を気遣うシゲルの言葉にハナコは強く頷き、目の前で戦うエンテイたちの戦いを見守った。
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