―4―
『…御子の力はいつの時代でも悪しき者に狙われていた。』
サトシの背中を見つめるシゲルたちに向かってアルセウスはおもむろに口を開いた。
その言葉にシゲルたちはアルセウスへと視線を向けた。
『御子と縁が深い者も、常に狙われていた。
時に、殺されてしまうこともあった。
歴代の御子たちの中で嘆き、苦しんだまま逝った者も少なくない。
“大切な人を守れなかった”
“巻き込んでしまった”
そんな強い後悔の念に襲われていた。
苦しまなくていいのに御子と関わったがために巻き込まれてしまった者も多々いる。
サトシはお前たちをそんな目に遭わせたくはないのだろう。』
「でも…、自分の夢を犠牲にしてまですることじゃないわ…。」
『御子の力はいつの時代でも、強い想いが力の目覚めのきっかけとなる。
サトシの強い想いは“大切な人を守りたい”。
そんな想いで埋め尽くされていた。
その想いにミュウツーが導かれ、その手を貸した。
サトシがどんな想いで御子として生きる決意を固めたか、少しは理解してやるがいい。』
「………………。」
アルセウスの言葉にシゲルたちは押し黙った。
アルセウスの言葉はシゲルたちの心の中に重くのしかかってきた。
自分達がサトシに何が出来るのかを考えても、問題が大きすぎて答えは簡単には出なかった。
『自分の未来は自分自身で選び、決めるしかない。
だが、答えが見つからず迷った時に導くことができるのは、周りにいる者にも出来る。
サトシの答えをサトシが幸せな方に導くことが出来るかはお前たち次第だと言っても過言ではないだろう。
真剣に考えることだ。』
「そう…ですね…。」
アルセウスのそんな言葉にシゲルたちはサトシとどう向き合い、どう導くかを真剣に考えることにした。
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