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突然、ぷつりと消えたちょうおんぱの波にタケシたちは困惑した表情を浮かべながら辺りを見回した。
辺りを見回したタケシたちは自分達を守るように立つポケモンを視界に捉えた。
「まさか…。」
「ポケモン…なの?」
「ぽちゃ?」
「ピカ!?」
『無事のようだな。』
「うっそ!
ポケモンが喋った!?」
自分達を守るように立つポケモン…、ミュウツーを見たタケシやロケット団、ピカチュウは信じられないものを見るような目で見た。
だが、ミュウツーを見たことも聞いたこともないヒカリとポッチャマはミュウツーが言葉を発したことに驚きを隠しきれない様子で見つめていた。
「ミュウツー、なんでここに?」
『…“伝説の御子”の強い想いに応えただけだ。』
「“伝説の御子”って…まさかサトシが!?」
「ちょっと待って!
タケシはこのポケモンを知ってるの?」
「……ミュウツー。
ミュウの情報を元に人間が作り出したポケモンだ。
俺達は以前、ミュウツーと会ったことがあるんだ。
だが…、まさかこんなところで会えるとは思ってもいなかった。」
「ミュウツー…。」
タケシから簡単な説明を受け、ヒカリは驚いた表情はそのままでミュウツーを見上げた。
「俺達を無視するな!」
「侵入者には容赦するな!」
「やっちまえ!」
『…話は後だ。
今はこの邪魔者を倒す。』
「あ、はい。
お、お願いします。」
「ポチャポッチャー!」
戦闘態勢をとるミュウツーはヒカリたちに後ろに下がるように促すと、ギンガ団の前に立ち塞がった。
「つ、…強い…。
…圧倒的ね…。」
「これほどとは…。」
ミュウツーを初めて見るヒカリ、ハンサムはその圧倒的な力を前にただ強い驚きを覚えた。
ギンガ団たちが複数のポケモンを繰り出し、ミュウツーに攻撃をしかけるも、ミュウツーはその攻撃をいとも簡単に防ぎ、一撃で倒していく。
無駄が全くない、流れるようなその動きにヒカリたちはただ見とれていた。
ものの数分でギンガ団も、ギンガ団のポケモンたちも地に伏していた。
何十人ものギンガ団が繰り出したポケモンをミュウツーだけでいとも簡単に倒してしまっただけではなく、ミュウツーはケガ一つなく無傷でその戦いを終えた。
それにただ驚いた。
以前、会ったことのあるタケシでさえ驚きを隠しきれない様子だった。
『弱い。
私の相手にしては弱すぎる。』
「すごい…。
ミュウツー、あなたって強いのね!」
『…このくらいで騒がれても嬉しくもないがな。』
「…でも、無駄のない動きで…素敵だったわ!
助けてくれてありがとう。」
『…直に“伝説の御子”もここに来る。
すぐにここから離れるべきだ。』
「そうね…!」
ミュウツーの言葉にヒカリは力強く頷き、サトシたちが出て来るのを待つことにした。
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