―3―
「まいったな…。
ギンガ団の数が増えている…。」
「それにポッチャマたちもだいぶ疲れているわ。
…シゲルたちはサトシを助け出せたのかしら…?」
「他のことを考えてる場合か?」
「え…?」
「ポチャー…!」
「あっ!ポッチャマ!」
「ぽちゃー…。」
サトシは助け出せたのかと心配するヒカリ。
その隙をつかれ、ポッチャマは攻撃をもろに受けて飛ばされた。
ぐったりするポッチャマにヒカリは慌てて駆け寄り、その体をそっと支えた。
「ヒカリ!
危ないッ!」
「え…?
Σ…きゃあぁあっ!」
ポッチャマの身を案じることに気をとられていたヒカリは目の前に迫ってきたギンガ団のゴルバットを見てポッチャマを守るように抱きしめ、強く目を閉じた。
「ピーカーチュウーーッ!!」
目を閉じたヒカリの耳に聞き覚えのある声が聞こえた。
その声に恐る恐る目を開けると、そこにはピカチュウがいた。
「ピカチュウ!?
サトシを助けに行ったんじゃ…。」
「ぴかー、ピカピ、ピカチュウ!ピッピカ!」
「…?」
「ジャリボーイが助かっても他のみんなが無事じゃなかったらきっと悲しむからここで一緒に戦う、と言ってるニャー!」
「困った時はお互い様って言うしな!
マスキッパ、タネマシンガン!」
「なんだかんだ言ってジャリボーイとは付き合いも長いしねー。
メガヤンマ、ぎんいろのかぜ!」
「ロケット団!?」
ヒカリを助けたのは、サトシのピカチュウ。
ピカチュウが何かを訴えるようにヒカリに何かを言うが、ポケモンの言葉などわかるはずもなく…。
首を傾げたヒカリにロケット団のニャースが現れ、ピカチュウの言葉を通訳した。
次いで、コジロウとムサシまでポケモンを出して戦いに参加してくれば、驚くのは当たり前のこと。
「ほら、いつまで座ってるのよ!
ジャリガールも早く戦いなさいよ!」
「…あ、ありがとう…。」
「ゴルバット、ちょうおんぱ!」
助太刀してくれるロケット団にお礼を言いながら立ち上がったヒカリ。
シゲルたちが戻ってくるまでギンガ団を引き付けなければと気合いを入れた。
しかし、倒しても倒しても現れるゴルバットがまたヒカリたちを囲むように飛び回り、狙いを定めあぐねていると、ギンガ団はちょうおんぱを命じた。
「うあぁあぁあッ!」
「きゃあぁあぁッ!」
「ぐうぅ…ッ!」
「ぎゃあぁあッ!」
「ぐあぁああッ!」
「やめるニャー…!」
ちょうおんぱを放たれ、苦痛に顔を歪めるタケシたち。
「なんだか登場してすぐに…。」
「ヤな感じ…だよな…。」
「珍しく人助けするといつもこうだニャー…。」
「頭が…割れそう…。」
「何とか…しないと…!」
「このままでは…。」
「ピカピ…。」
陽動もここまでか、と誰もが諦めかけた時だった。
突然、ちょうおんぱの波が消えたのは…。
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