―11―
「…まさか君だったとはね。」
「……アカギ…さん?」
アジトに戻ったアカギは少しして牢に捕われているサトシの元に向かった。
牢に入ってきた人物を気丈にも睨みつけていたサトシはその人物の顔を見て、驚いた表情を浮かべた。
「どう…して…、ここに…?」
「…まだ分からないか?」
「…え?」
戸惑った表情を浮かべるサトシにアカギは小さくため息をこぼした後に、ニヤリと不吉な笑みを浮かべながらそんな言葉を発した。
嫌な空気を感じ取ったサトシはアカギの服を見た瞬間、ようやく気が付いた。
「…その服…、まさか…!」
「そう。
私がギンガ団のボス、アカギだ。
君の“伝説の御子”としての力を私の野望のために役立ててもらう。」
「…ふざけ…るなっ!
…俺は…、ギンガ団になんか……絶対に力を…貸さない!」
「君の意志はどうでもいい。
そう言うだろうとは思っていた。
こちらも手を考えてある。」
「…な、に…?」
「君が力に目覚める日もそう遠くないだろう。
それまでは、ここでゆっくり過ごすといい。」
「い、やだ!
…離せ…!俺を…ここから…出してくれ…!」
「それは無理だ。
…また様子を見に来る。
それまで大人しくしているんだな。」
「やだ…やだやだ…っ!
たすけて…だれかっ…!」
アカギがそのまま背を向け、牢から出て行った後、サトシは悔しそうに顔を歪めて助けを呼んだ。
***
「……サトシ…?」
「どうした、シゲル?」
「あ、いや…。
今、…サトシが助けを呼んだ気がして…。」
「…今は作戦会議中だ。
集中しろ。」
「……………。
どういう作戦で行きますか?」
フン、と鼻で笑いながら言ったシンジの言葉にシゲルはちらりとシンジを見たあと、作戦について問いかけた。
「まずは、派手にアジトに侵入する陽動班と、サトシくんを捜しだし、救出する班とで別れよう。」
「陽動は私に任せて!」
「俺も陽動に回ろう。」
「それなら、私も陽動班に加わろう。」
「私とシゲルくんとシンジくんは救出班ね。
ハンサムさん、タケシくん、ヒカリちゃん。
派手にお願いね。」
「はい!」
「任せてください!」
「恐らく、サトシくんは満足に動けない状態だと思う。
救出班は慎重にサトシくん救出にあたってくれ!
行くぞ!」
「「はい!」」
サトシを助け出すために、シゲルたちは二手に別れることにした。
「ポッチャマ、パチリス、マンムー、ミミロル!
派手に行くわよ!」
「頼んだぞ!
グレッグル、ウソッキー、ピンプク!」
「な、なんだ!?」
「お前たち…何の用だ!?」
アジトの入口を守るように立っていたギンガ団。
タケシとヒカリはポケモンを出し、慌てた様子のギンガ団に向かって攻撃の指示をだした。
突然のことでポケモンも出せないまま、入口を警備していたギンガ団は気絶した。
「シロナさん!今です!」
「えぇ!
行くわよ!!
シゲルくん、シンジくん!」
「はい!」
「はい。」
手薄になった入口からシロナたちはアジトの中へと侵入することに成功した。
「ここからはもっと派手に行くわよ!
ポッチャマ、うずしお!
パチリス、ほうでん!
マンムー、とっしん!
ミミロル、れいとうビーム!」
「グレッグルたちも行くぞ!」
「…派手であればあるほどいい!
私も存分に暴れさせてもらうよ!」
サトシを助け出すため、仲間たちは協力しあい、アジトの中への侵入に成功した。
あとは、サトシを見つけ出すだけ。
シゲルたちはサトシの行方を捜すために、慎重に動き回ることにした。
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