―1―
自分に声をかけた人物を見たサトシは驚いたように目を見開いた。
「シゲル!?」
そう、そこにいたのは自分の幼なじみのシゲル。
思わぬ人物が現れたことにサトシはただただ驚いていた。
「どうしてここに!?」
「それはこっちのセリフだよ。
珍しいじゃないか。」
「…?
何がだよ?」
「寝坊癖のあるサートシくんが、こんなに朝早く起きているなんて。」
「なんだと!?」
「これくらいで突っ掛かってくるなんて、まだまだ子供だね、サートシくん?」
「うるさいなっ!」
ニヤニヤと笑いながら自分をからかってくる幼なじみにサトシはぶぅ、と頬を膨らませた。
そんなサトシの頭をぽんと叩いた後、シゲルは困ったように笑いながら口を開いた。
「それで、サトシはどうしてここに?」
「…次のジムがある街を目指して、この街にたまたま泊まってただけだよ。」
「じゃあ、次の街にもう向かうんだろ?」
「あ、ああ…。
そうだけど?」
「ふーん…、それなら僕もサトシたちとしばらく一緒に行動しようかな。」
「…は!?
マジかよ!?」
「マジだよ。」
あんぐりと口を開けるサトシにシゲルは再び苦笑すると、タケシとヒカリに挨拶に行くと言い、呆然と立ち尽くすサトシを置いて、ポケモンセンターへと姿を消した。
「ピカピ?」
「ま、いっか…。」
心配そうに顔を覗き込むピカチュウを尻目にサトシはため息をついた後、ポケモンセンターへと姿を消したシゲルを追って駆け出した。
そして、草むらの中に隠れながら、3つの影がサトシとピカチュウを見つめていた。
「いたわよ、ジャリボーイとピカチュウ。」
「今度こそ、ピカチュウゲットだニャ!」
「よし、作戦開始だ!」
「ソ〜〜〜ナンス!」
「あ、コラ!
またあんたは…。
勝手に出てこないの!」
毎度お馴染み、ムサシ、コジロウ、ニャースである。
彼らも気付いていなかった。
これからの騒動に巻き込まれるということに…━━。
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