与えられる居場所

「ルークはレプリカだろ?」
「……っ!!」
「兄さん!
自分がレプリカであるということに対して強い負い目のような感情をルークが抱いていることを知っていて心の傷を抉るようなことを言っているんですか?」
「いくらアスベルでもルークを傷つけるようなことを言うなら私は許さないわ。」
「そういうつもりで言ったわけじゃないんだ。
ラムダが言っていたことなんだが…、ルークがレプリカだから俺たちの世界に連れていくことも可能なんだと、そう言っていたんだ。」
「俺が…レプリカ…だから…?」



アスベルの言葉にルークは瞳を揺らしながらそう問い返した。
その言葉にアスベルも無言で頷きながら口を開いた。



「そうだ。
この世界にある第七音素そのものでルークが存在しているからこそ、ラムダが一時的に自分の中に取り込んで、エフィネアに戻ったら再構築すれば俺たちと一緒に行くことも可能なんだと、そう言っているからな。」
「…エフィネアとこの世界とでは勝手が違うはずだ。
本当にそんなことが可能なのか?」
「愚問だな。
我がその程度のことを出来ぬと思っているのか?
ずいぶんとみくびられたものだ。」



そんなことが本当に可能なのかと半ば信じられないような発言をすればまたいつ代わったのか、ラムダがそのくらいは容易いことだと言い切った。
ラムダの言葉にソフィは今にも泣きそうな表情を浮かべながらルークを見つめながら口を開いた。



「本当に…ルークと一緒に帰れるの…?」
「何度同じことを言わせる気だ?
だが…、エフィネアに戻ってすぐに再構築することは難しい。
少し時間は要するが…、その間は我の話し相手になってもらうことにしよう。」
「良かったね、ルーク!
あのね!私ね、ルークとクロソフィの花を一緒に育てたい!」
「ソフィ…。
おれ…本当にアスベルたちと一緒に行けるのか…?」
「よかったー!
エフィネアに戻ってルークが再構築されたら思いっきり抱きつくつもりだからよろしくねー♪」
「パスカルは動きが怖いのよ。」
「最近はルークに抱きつくことが趣味のようになっているからな。」
「ルークはパスカルさんの抱き枕ではないんですよ?」
「でも、ルークがエフィネアに一緒に行ったらルークはどこに住むのがいいかしら?」
「この際だ。
ルークもソフィと同じように俺の養子にしよう。」
「何を言ってるんですか、兄さん!
ルークはオズウェル家の養子になってもらいます!」
「私の家に養子に入る気はない?ルーク?」
「ルークがアスベルの家の養子になったら私とルークは兄妹だね。」



アスベル、ヒューバート、シェリアが自分の家の養子にすると口論している中、ソフィの中ではルークはアスベルの家の養子になることが決まっているようで、ルークの手を握りながら嬉しそうに笑った。

ルークはソフィの言葉に頷いたあと、俯いたまま顔をあげることが出来なかった。

当たり前のように一緒にいることを許してもらえることがルークは嬉しかった。
居場所を与えてくれるアスベルたちには言葉では言い表せないほどの感謝の気持ちでいっぱいになった。



「仕方ないなー。
ここは間をとって、私の養子になるって選択したらどうかな?」
「なんでだ!?」
「ありえません!」
「パスカルの家の養子になったらルークまで、何日もお風呂に入らなくなりそうだから絶対にダメよ!」



どさくさに紛れて自分の養子にと誘うパスカルはアスベルたちから即否定された。
その光景を見ていたルークは無意識のうちに笑っていた。


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