06
『さあ!始まりました!!
皆様お待ちかねのフロンティアブレーンとのバトル大会!』
翌日の朝、イベント会場はとても賑わっていた。
メインイベントのフロンティアブレーンとのバトル大会が始まったとあって、会場は大きな賑わいを見せていた。
司会をつとめるのは、エニシダだ。
『今回のバトル大会は参加希望者にフロンティアブレーンとバトルをしていただきます。
ここ、イッシュ地方では見たことのないポケモンたちとのバトルを是非、お楽しみください!!』
『ワアアアアアアアァァァーー!』
エニシダの言葉に会場はわいていた。
バトルを見るだけでなく、イッシュには生息していないポケモンが見られるとあって、観客も挑戦者たちも興奮していた。
そして、未だに謎のままのフロンティアブレーンの正体がここで明かされるとあって、観客も挑戦者たちもバトルフィールドに視線が釘付けとなっていた。
『それでは、バトルルールを説明します。
こちらにあるルーレットで止まった数字でバトルをしてもらいます。
1に止まれば1対1、2に止まれば2対2、3に止まれば3対3のバトルとなります。
そしてポケモンの交代は挑戦者のみ認められる、というのが普通のルールですが、ここはイッシュ地方…。
イッシュ以外のポケモンを見たいと言う挑戦者の方も多いかと思います。
そこで!挑戦者が希望した場合のみ、フロンティアブレーンもポケモンの交代が認められるという特別ルールを設けました!
いろいろなバトルを経験するも良し!一体をじっくり知るも良し!
挑戦者の皆様は好きな方を選んでください!
もちろん挑戦者のみ、ポケモンの交代を認めます。』
『ワアアアアアアアァァァーー!』
エニシダの言葉に会場は更なる盛り上がりを見せた。
「…田舎に生息するポケモンにどの程度の力があるのか、じっくり試させてもらうよ。」
「いつも思うけど、どうしてアンタってそんなタンニンの効いた言葉しか言えないの?」
「どんなポケモンでバトルしても僕の勝ちは変わらない。」
「自意識過剰ねー。」
「なんとでも言えばいいさ。」
「あれ?サトシは?」
「…そういえば…、見当たらないね…。
朝からいなかったからてっきり興奮して先に会場に行っているものだとばかり思っていたけど…。」
エニシダが開会の宣言とバトルルールの説明をしているのを聞きながら、デントとアイリスはサトシの姿を探した。
だが、そこには他の参加者はいてもサトシの姿はどこにも存在しなかった。
「昨日、あそこまで偉そうに言っておきながら、途中で負けるのが怖くなって逃げ出すなんて…みっともない。」
これだから田舎者は…、とため息つきながら呆れた表情を浮かべるシューティー。
「サトシはそんな人じゃないと思うけど…。」
「アイツは根性ある奴だからな!どうせトイレにでも行ってるんだろう!」
ルークとケニヤンの言葉にもシューティーはフンとバカにしたように鼻で笑った。
だが、その数分後に驚かされることになるということに未だ誰も気付いていなかった。
『それでは、バトル大会の前に他の地方のことを知っていただくためにフロンティアブレーンの紹介と共に、フロンティアブレーンより魅せる演技を披露してもらいたいと思います!
皆様はご存知でしょうか?
イッシュ以外の地方ではポケモンコーディネーターというポケモンの技を美しく魅せる職業があることを。
彼はポケモンコーディネーターではありませんが、かつて、2人のコーディネーターと共に旅をし、そして彼自身もコンテストに出場することもありました!
さあ!ではお待ちかね!フロンティアブレーンの登場です!』
エニシダのその言葉と共にサトシは観客や挑戦者たちの前に姿を見せるため、駆け出した。
「さあ!行くぞ、ピカチュウ!」
「ピカ!」
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