05
「サザザ!?」
フィールドに登場し、やはり驚くサザンドラ。
その視線の先にはサトシがいた。
「うん。
本物のサトシさんだよ、サザンドラ。
ミルホッグやウルガモス、バンギラスも頑張って戦ってくれたんだ。
頑張ろう、サザンドラ。」
「…キョウヘイ。」
驚いた表情を浮かべるサザンドラ。
さきほどとは違い、至極真面目にサザンドラに言葉をかけていると、サトシが突然…キョウヘイの名を呼んだ。
「…大丈夫。
ミルホッグもウルガモスも、分かってる。」
「…ッ!?」
そしてサトシの言葉にキョウヘイは大きく目を見開いた。
「…後悔してるんだろ?
ミルホッグやウルガモスに…」
「違います!!
………そんなこと…ありません。」
「キョウヘイ。」
「サトシさん、これはバトルです。
サトシさんが行かないならこっちから行きますよ!
サザンドラ!“ドラゴンテール”!!」
サトシの言葉を降りきるようにサザンドラに指示を飛ばすキョウヘイ。
しかし、もちまえのスピードをいかしてマグマラシは避けてみせた。
「キョウヘイ、」
「“きあいだま”!!」
「…ッ、マグマラシ!“かえんほうしゃ”!!」
サトシが、話しかけても聞く耳を持とうとしないキョウヘイにサトシはバトルに集中するべきだと慌てて気持ちを切り替えた。
「サザンドラ!“ドラゴンテール”!!」
「ザンド!」
「“つばめがえし”で背後から攻撃だ!!」
「マーグッ!!」
ただ、指示を飛ばすキョウヘイ。
背後をとられ、“つばめがえし”をくらったサザンドラはふらつきながらも、地面に激突する前に宙に舞った。
「キョウヘイ、俺の話を聞いてくれ!」
「今はバトル中です!
サザンドラ!“りゅうせいぐん”!!」
「サーザ!!」
「……マグマラシ、“こうそくいどう”で避けろ!!」
「マグマグー!」
サトシの言葉に耳を傾けようとしないキョウヘイのバトル構成もない攻撃に対し、サトシは冷静に対応してみせた。
無数に降り注ぐ“りゅうせいぐん”を“こうそくいどう”で、うまく避けながら、マグマラシはサザンドラをすぐ上にとらえた。
「…マグマラシ!“ふんか”!!」
「マーーーグーーッ!!」
間下からマグマラシの強烈な“ふんか”を放たれ、サザンドラはどしゃっと音を立てて、地面に沈んだ。
『サザンドラ、戦闘不能!
マグマラシの勝ち!!』
あっさり負けてしまったサザンドラ。
しかし、キョウヘイは何も言わず、モンスターボールに戻した。
「キョウヘイ。」
「…4敗で僕の負けですね…。
サトシさん、ありがとうございました。」
「キョウヘイ!!」
サトシに向かってぺこりと頭を下げると、キョウヘイはサトシに名前を呼ばれても応えることなく…そのままフィールドを後にした。
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