03
エニシダにバトル大会当日はよろしくね!と笑顔で言われ、サトシも強く頷き…、その後サトシはようやくエニシダから解放された。
イベントが中止になるかもしれないと相当慌てていたようだから仕方ないのかもしれないが…エニシダの迫力に圧されたサトシは精神的な疲れを感じつつもデントたちがいるであろう、ポケモンセンターへと向かっていた。
「あ、あの…!す、すいません!」
「ん?」
ピカチュウと共に歩みを進めていたサトシは見知らぬ少年に声をかけられ、立ち止まった。
「俺に何か用か?」
「あの…マサラタウンのサトシさん…ですか?」
「へ?あ…うん。
そ、そうだけど…。」
「わあああーーっっ!!
やっぱり!!ピカチュウを連れてるからもしかしてって思ったんです!!
あ、あの!!握手してください!!」
「えっ?握手?俺と?」
「はい!!」
興奮冷めやらぬカンジの少年に握手を求められ、サトシは困惑しながらも握手をした。
すると少年は、やったー♪と大喜びだ。
そこまで喜ばれる理由が分からないサトシはただ、目を瞬かせることしか出来ずにいた。
「サトシさん!僕!サトシさんの大ファンなんです!!」
「俺の!?」
「はい!スズラン大会!見てました!
僕の中でサトシさんが一番です!
手に汗握るバトルってああいうことを言うんですね!!
もう、僕…ずっと興奮してて!!
サトシさんとポケモンたちの絆の深さはバトルを見てるだけですごく伝わってきました!
僕もサトシさんみたいなトレーナーになりたいです!
サトシさんみたいにポケモンたちと深い絆で繋がれるようなそんなトレーナーになりたいです!
もう、サトシさんは僕の憧れです!目標です!!
まさかこんなところで会えるなんて感激です!!」
「え…、あ…うん。
…あ、ありがとう…。」
「サトシさんはフロンティアブレーンとのバトル大会にでるんですか?」
「えー、あー…いや、まあ…それは…。」
「サトシさんならフロンティアブレーンにだって勝てますよ!
僕、絶対に見に来ます!応援してますから!
それじゃあまた!!」
「あ、…ちょっ…!」
いきなり現れ、いきなり去っていった少年にサトシは呆気にとられた。
かなり遠くまで行ってしまったが、それでも分かるくらい少年は機嫌がいいらしく、スキップしている。
エニシダが、言っていたようにフロンティアブレーンとはどんな人物か明らかにしていないようだから仕方ないのかもしれないが…。
「…俺がそのフロンティアブレーンとして戦うなんて…思いもしないよな…、普通。」
「ピーカァ。」
思わず苦笑するサトシにピカチュウも困った様子で頷いた。
そしてサトシは再びポケモンセンターに向かって歩き出したのだった。
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