02
「それで…、一体どうしたんですか?」
関係者以外立ち入り禁止されている部屋の一室に強引に連れてこられたサトシは連れてきた張本人を見つめながら問いかけた。
強引に連れてきた人物…、エニシダは困惑している様子のサトシを見つめつつ、口を開いた。
「ごめんごめん、サトシくん。
実はフロンティアブレーンと予定の食い違いがあったみたいで、イベントが中止になりそうなところで君を見つけたものだから…つい、嬉しくてね。」
「…イベントって?」
「挑戦者とフロンティアブレーンと戦ってもらうバトル大会なんだけど…来てもらうハズだったジンダイに日付が間違って伝達されてしまってたみたいで…、すぐに連絡してみたんだけど…繋がらなくてね…。」
「…それで…、俺はどうすればいいんですか?」
「サトシくんには、ジンダイの代わりにフロンティアブレーンとしてバトル大会に出てもらいたいんだ。」
「えっ!?えぇええぇ!?
ちょ、そんなこといきなり言われても困りますよ!エニシダさん!」
サトシを連れてきた男…、エニシダの言葉にサトシは思わず声をあげた。
いきなりバトル大会に出ろと言われるとは思っていなかったのだから、驚くのも無理はない。
「サトシくん。
君は旅を自由にさせてもらえるならとフロンティアブレーンになることを了承したはずだ。」
「うっ…、それはそうですけど…。
俺、今…ピカチュウ以外はイッシュでゲットしたポケモンしかいないんです。
イッシュで仲間になったみんなはまだ修行中だし…。」
「だったら、ポケモンを転送してもらえばいいじゃないか!」
「そう言われてもイッシュとカントーじゃ遠すぎますよ!!
カントーからイッシュまでポケモンを転送する装置はないはずです。」
「安心してくれ、サトシくん!
転送できる装置はあるんだ!
遠い地方からポケモンも転送できるように、マシーンもセットしてもらっているからね!」
「そうなんですか?」
「サトシくん。
久々に君の熱いバトルを見せてくれないか?」
「……わかりました!
久々にみんなと会うのも楽しみだし、その話、受けます!」
「そう言ってもらえると嬉しいよ!
あ、そうだ。
フロンティアブレーンはバトル大会に登場するまで謎のままってことにしてるから、他の人たちには黙っていてくれよ?」
エニシダの言葉にサトシはこくりと頷いた。
突然、フロンティアブレーンとしてバトル大会に出て来れと言われた時は驚いたが、他の仲間たちと会えるのかと思うと楽しみになってきたサトシはピカチュウと顔を合わせて笑った。
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