03
「行くよ、ゴビット!
“メガトンパンチ”!!」
「ゴビーッ」
「オニゴーリ、“かげぶんしん”!!」
「ゴォ!」
「…くっ!さすがは、サトシ!
“かげぶんしん”のタイミングがいいね!!」
「サンキュー!
オニゴーリも強いだろ?!
今度はこっちから行くぜ!
オニゴーリ、“こごえるかぜ”!!」
「ゴー!」
「ゴビ!?」
ゴビットの攻撃を“かげぶんしん”でかわしたオニゴーリはそのまま、“こごえるかぜ”を放った。
“かげぶんしん”も消えていない状態ではかわしようがなく、ゴビットは凍てつく風をその身に受け、風に圧され、ずるずると下がっていった。
なんとかしないと、ゴビットも寒さでスピードが落ちていくだけだ。
「ゴビット!
“サイコキネシス”で“こごえるかぜ”を押し返すんだ!!」
「ゴー…ビッ!」
ルークの指示でゴビットは“サイコキネシス”で“こごえるかぜ”をオニゴーリに返してきた。
「ゴォ!」
「オニゴーリ…!やるな、ルーク!」
「ありがとう!ゴビット、反撃だ!
“ジャイロボール”!」
「だったら、こっちは回転しながら“ずつき”だ!!」
「なっ!?
回転しながら!?」
“こごえるかぜ”でスピードが落ちた分、攻撃力のあがる“ジャイロボール”を指示するも、サトシは慌てることなく、オニゴーリに指示を飛ばした。
ただの“ずつき”であれば驚くこともなかったが、“ずつき”に回転を加えている。
これならスピードもパワーも増す。
“ジャイロボール”と“ずつき”がぶつかり合い、辺りはズンッと大きな音が響いた。
どちらのパワーが強いか、それが勝負の分かれ目だが、ゴビットの“ジャイロボール”は攻撃力があがっただけだが、オニゴーリの回転“ずつき”は攻撃力が増しただけではなく、スピードもプラスされている。
どちらが力負けするかなど考えるまでもなかった。
「…ゴビーッ!!」
「…ゴビット!!」
力負けしたのはゴビットの方だった。
オニゴーリの攻撃を受け、ケニヤンのダゲキのようにフィールドの壁に叩きつけられるようにぶつかり、そのままバタリと倒れた。
だが、ルークはゴビットが倒された理由が分からなかった。
「どうして…?
“ずつき”はノーマルタイプの技だ。
ゴーストタイプのゴビットにあたるはずがないのに…。」
「ただの“ずつき”だったらな?
だけど、オニゴーリは“ずつき”を放つ前にゴビットに返された“こごえるかぜ”…氷の空気を纏って、攻撃をしてるんだ。
つまり、ただの“ずつき”じゃない。
今の“ずつき”はノーマルタイプじゃなくて、こおりタイプの“ずつき”だと思ってくれたらいい。」
「…まさか、そこまで考えていたなんて…。」
サトシの口から語られたのは、とても信じがたい内容だった。
ノーマルタイプの攻撃を違うタイプの攻撃に変えるなんて聞いたことがない。
攻撃を返されて驚くどころか、それを逆に有効に活用してくる。
それを当たり前のように、自然にやってのけるサトシにルークは驚かされるばかりだった。
『ゴ、ゴビット、戦闘不能!
オニゴーリの勝ち!』
しばし、呆然としていたエニシダが慌てて声をあげた。
だが、観客も控え室にいる選手たちも言葉を失ったままだった。
ここにきて、新たなバトルを見せてきたのだ。
呆然としてしまうのも仕方ないことだ。
「…こんなに迫力のあるバトルを体験できるなんて、本当に嬉しいよ!
ゴビット、ありがとう。
…次はハハコモリ!君に頼んだ!
サトシ、ポケモンチェンジだ!」
「ハハー!」
「うん、わかった!
オニゴーリ、お疲れ様。
ゆっくり休んでくれ。
次はジュカイン!君に決めた!」
「ジュイ!」
ゴビットをボールに戻し、次はハハコモリを繰り出したルークに対し、サトシが次に繰り出したのはジュカインだった。
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