02
「サトシ、よろしく!」
「ああ!
バトル、楽しもうぜ!ルーク!」
キョウヘイに撮影を任せ、ルークはフィールドに立った。
これまでに迫力のあるバトルを見せてもらい、その度にドキドキわくわくしていた。
そして、自分がバトルをする出番がやってきて、フィールドに立った瞬間に今までに感じたことのないわくわく感を感じた。
バトルを見るのとやるのではこんなにも違うんだと、バトルする前から感じることが出来た。
「サトシ!僕はいろんなポケモンたちとのバトルを撮影したい。
だから、3対3のバトルを申し込むよ!!」
「わかった!」
ルークの申し出を快く引き受けたサトシ。
3対3のバトルのため、ルークがフィールドを決めるルーレットを、回した。
そして、フィールドは草のフィールドのところで止まった。
『草のフィールドに止まりました!それではフィールドチェンジします!』
エニシダの言葉と共にフィールドは草の生い茂るフィールドへと変わった。
「キングラー!君に決めた!」
「ゴキゴキッ!」
「ゾロア!頼んだよ!」
「アーンッ!」
サトシはキングラー、ルークはゾロアを繰り出した。
そして、それを見ながらデントは感心したように呟く。
「あれだけたくさんのバトルをしてきたというのに、また見たことのないポケモンだ。
サトシは本当にいろんなポケモンをゲットしているんだね。」
「確かにそうよね。
こんなにたくさんのポケモンと出会ってきたなんて…私たち、まだまだ知らないことがたくさんあったんだね。」
「だけど、これだけたくさんのポケモンが出てきても、どのポケモンもみんな強いってなかなかないわよね!
本当にサトシくんってスゴーイ!!」
デントの呟きを聞いたアイリスとベルは同じように感心したように呟いた。
感嘆の声をもらしている。
『それでは、バトル開始!!』
そんな中、サトシ対ルークのバトルはエニシダの声と共に開始された。
「ゾロア!“シャドーボール”!」
「キングラー、ゾロアの足元に向かって“あわ”攻撃!」
「ゴキッ!」
「アウアッ!?」
ルークがゾロアに“シャドーボール”を指示するも、ゾロアが攻撃を放つ前にキングラーはその足元に向かって“あわ”攻撃を放った。
“あわ”に足をとられたゾロアは滑って転んだ。
「ゾロア!!」
「まだまだ行くぜ!
キングラー!“クラブハンマー”!」
「ゴーキッ!」
滑って転んだゾロア。
起き上がろうにも、“あわ”のせいで滑ってしまい、起き上がることも出来ない。
慌てるルークだったが、これはバトル。
サトシはキングラーに次の指示をとばした。
ゾロアは滑って起き上がれないが、キングラーは“あわ”の上を普通に進み、滑って動けないゾロアに“クラブハンマー”をお見舞いした。
「ゾロアッ!!」
キングラーの大きなハサミによる、強力な“クラブハンマー”が決まり、キングラーがそっとハサミをあげると、目を回し、気絶するゾロアがいた。
『ゾロア、戦闘不能!
キングラーの勝ち!』
『ワアアアアアアーーーッッ!!』
一撃で決まったそのバトルにデントたちは言葉を失った。
キングラーはスピードが劣るが、サトシはそれをうまくカバーしている。
“あわ”攻撃はキングラーのスピードが劣っていても確実に攻撃をあてるための布石だったのだと、決着がついてようやく気が付いた。
「…ポケモンたちに合わせてバトルの方法をうまく変えてるよな…。」
「…悔しいけど、強いわね…。」
ケニヤンとラングレーが呆然とした様子でそう言えば、誰もそれを否定することなど出来なかった。
「…ゾロア、ありがとう。
ゆっくり休んでいてくれ。
まだまだ行くよ!次はゴビット!行ってくれ!!
サトシ!ポケモンチェンジで頼む!」
「OK!わかった!
キングラー、ありがとう。
次はオニゴーリ!君に決めた!」
呆然としていたルークだったが、すぐに我に返り、次にゴビットを繰り出した。
いろんなポケモンのバトルを映像におさめたいルークはもちろん、ポケモンチェンジを要求。
サトシはそれに応え、キングラーを戻すと、代わりにオニゴーリを繰り出した。
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