09
「サトシ、僕も3対3のバトルを申し込みたいんだけどいいかな?」
「ああ!いいぜ!!」
フィールドに立ったデントは、アイリスと同じように3対3のバトルを申し込んだ。
そしてルーレットで止まったのは草のフィールドだった。
「頼んだよ、マッギョ!」
「ケンタロス!君に決めた!」
そして互いにマッギョ、ケンタロスを繰り出し、試合は開始された。
「マッギョ!“ねっとう”!!」
「ギョギョッ」
「ケンタロス!マッギョに向かって突っ込め!!」
「ンモーッ!」
「なにっ!?」
先手必勝と、デントがマッギョに指示を飛ばすとサトシは防御させる技を指示することなく、ただ突っ込むように指示した。
その予想外の行動にデントは驚いたように目を見開いた。
そして、何をするつもりなのか、予想がつかないデントは様子を伺うようにケンタロスを見つめていると、ケンタロスは本当にただ突っ込むように走ってくるだけだった。
そして、マッギョの“ねっとう”をものともせず、攻撃を受けながら勢いよく走ってきた。
「ケンタロス!“とっしん”!!」
「ギョギョッ!?」
「マッギョ!!」
ケンタロスの“とっしん”を受け、マッギョは飛ばされた。
驚くべきは、“ねっとう”を受けながらも、ケンタロスの走るスピードは全く落ちることがなかったことだ。
スピードもパワーも強いケンタロスにデントは、少しの間、放心した。
「(なるほどね…。
これは実際にバトルを体験してみないと分からないことだ。
こんなにもパワーもスピードもあるポケモンはそうそうお目にかかれるものではないね…)」
圧倒的な強さを前にデントはただ、驚かされるばかりだった。
バトルを見ているのと、するのとではこうも違うものなのかと強い感銘を受けた。
「イッツ、テイスティングターイムッ!!」
「へ?
やっぱり、するのか?」
攻撃を受け、少しの間は放心していたデントはパチンと指を鳴らしたあと、いつものようにテイスティングタイムに入った。
デントのテイスティングが始まり、サトシは目を瞬かせた。
「相手の攻撃をものともしない圧倒的なパワー、そしてパワーをあげるためにスピードもある実にレベルの高いポケモンだ。
パワーだけじゃなく、スピードも高いなんて…相当育てられている。
荒野の中に咲く一輪の花のような…そんな広大さを感じるよ。」
「一輪っていうか…三十輪だけどな…。オーキド研究所には俺のケンタロスが三十匹走り回ってるし…。」
「三十!?これはスゴい!荒野の中に小さな花畑…。
うーん…!砂漠の中のオアシスと言った方がいいかもしれないね!」
「…??
えっと、よく分からないけど、ケンタロスのパワーが強いのは確かだぜ!
バトル、続けようぜ、デント!!」
「OK!だけど、僕たちのマリアージュのすばらしさはこんなものではないよ、サトシ!
マッギョ!“でんきショック”!!」
「ケンタロス!“かげぶんしん”!!そのあとに“つのでつく”!!」
マッギョの“でんきショック”をケンタロスは“かげぶんしん”でかわし、そのあとに“つのでつく”をマッギョに放った。
スピード+パワーのあるケンタロスの攻撃にマッギョは再び、飛ばされ…壁に叩きつけられるようにぶつかった。
「マッギョ!!」
ぶつかった時に砂ぼこりが舞ってしまい、マッギョの姿を目視出来ないデントは、マッギョを呼んだ。
…しかし、砂ぼこりが晴れたあと…デントの目に映ったのは戦闘不能にまではなっていないが、かなりのダメージを受けたマッギョの姿だった。
このまま続ければ、戦闘不能になるのも時間の問題だ。
「マッギョ、ありがとう。
少し休んでいてくれ。」
ケンタロスの圧倒的ともいえる強さになすすべなく、大ダメージを受けたマッギョ。
デントはマッギョをモンスターボールの中に戻した。
『デント選手、ギリギリのところでマッギョをモンスターボールに戻しました。
ポケモンの交代です!』
デントがマッギョをモンスターボールに戻し、それを見たエニシダも初のポケモン交代に反応を返した。
今まではほとんどのポケモンが一発でKOされたと言っても過言ではないほどの圧倒的な強さを見せたサトシとサトシのポケモンたち。
だからこそ、あれだけの力強い攻撃に一発でKOされなかっただけまだマシだと思えるほど、ケンタロスのパワーとスピードは圧倒的だった。
「なるほど…。これは本当に対峙してみないと分からないことも多いね。
サトシ。まだ登場していないポケモンもいるんだろう?
ポケモンソムリエとして、いろんなポケモンとのバトルも体験しておきたい。
ケンタロスとは違うポケモンでお願いしてもいいかい?」
「わかった!ケンタロス、ありがとう。
ゆっくり休んでくれ。
…俺の二番目のポケモンはコイツだ!
頼んだぜ、オオスバメ!!」
「スバーッ!」
デントからポケモン交代を希望されたサトシは、ケンタロスを戻すと、代わりにオオスバメを繰り出した。
「僕の二番手はイワパレス!君だ!」
「イワッ!」
それぞれが二体目のポケモンを繰り出し、サトシVSデントの第二戦目が始まった。
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