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「…ピカチュウ!“エレキボール”!」
「ピカピカピッカー!」
『シキジカ、戦闘不能!ピカチュウの勝ち!』
次々とサトシに挑むトレーナーたち。
しかし、それに対し、ピカチュウ一体のみで5人ものトレーナーに勝ったサトシ。
フロンティアブレーンとしての実力は会場内に少しずつ、だが確実に浸透していった。
『次の試合はラングレー選手です!!』
そして次に呼ばれたのはラングレー。
名前を呼ばれたラングレーは、大きく息を吐いたあと、バトルフィールドへ駆けていった。
「ラングレー!よろしくな!」
「…ねえ、サトシ。
リザードンを指名したいんだけど。」
「リザードンを?
あ、ああ。いいぜ!!」
バトルフィールドで対峙するサトシにラングレーはリザードンで戦いたいと指名した。
そのリクエストに最初はきょとんとしたサトシも二つ返事で了承した。
『ルーレットは2で止まりました!
2対2でのバトルとなります!
それではバトル開始です!!』
エニシダの言葉と共にサトシはラングレーのリクエスト通り、リザードンを繰り出した。
だが、対するラングレーはポケモンを出さず、なにかを考え込んでいる。
「…ラングレー?」
「2対2なら、ダブルバトルにしない?
シングルバトルばかりじゃつまらないでしょ?」
「へっ?」
突然のダブルバトルの申し出にサトシは目を瞬かせた。
「私はドラゴンバスターになるためにもっといろんなポケモンとバトルして、いろんな経験を積みたいのよ!」
「うーん…。俺は別にいいけど…、エニシダさん、いいですか?」
「バトルをするのは、サトシくんだしサトシくんの好きにしてもらって構わないよ。
…それにしても、よくリクエストされるね。」
「ははは…。」
エニシダの言葉にサトシは思わず苦笑した。
ケニヤンから始まり、ベルまでも無茶苦茶なリクエストをして、更に次はラングレーからもリクエストをされたのだ。
エニシダがそう言ってしまうのも頷ける。
だけど、ラングレーの強くなりたいという意思が強く伝わってきたから、サトシもそれに応えられるようなバトルをしなければと気合いをいれた。
「行くよ!ツンベアー!コマタナ!」
「俺のもう一体は、コイツだ!」
そう言ってサトシが繰り出したポケモンを見てラングレーは目を見開いた。
「カフカフッ!!」
サトシが繰り出した2体目のポケモンはフカマルだった。
「かっ、可愛いーー!!
フカマル!?
やだー!サトシったら、ドラゴンポケモン持ってたの!?」
「また進化させてないのか。
本当によくあんな基本も出来てない状態でフロンティアブレーンになんてなれたものだ。」
「あまりタンニンのきいたことばっか言ってると、ボッコボコにされるわよ、アンタ。」
「僕があんな基本も出来てない初心者丸出しのトレーナーに負けるなんて有り得ないね。」
「あっ、そう…。」
相も変わらず、サトシの強さを認めようともしないシューティーにカベルネは呆れた様子でため息をついた。
その隣でアイリスはフカマルを見つめて瞳をキラキラさせていた。
『ラングレー選手の希望でこのバトル、ダブルバトルとさせていただきます!
ツンベアー・コマタナ対リザードン・フカマルのバトル…開始!!』
「こっちから行くよ!
ツンベアー、フカマルに“れいとうビーム”!
コマタナ!リザードンに“メタルクロー”!」
「リザードン、ツンベアーに“かえんほうしゃ”!
フカマル!コマタナに“いわくだき”!」
ツンベアーの“れいとうビーム”は、リザードンの“かえんほうしゃ”により、呆気なく相殺された。
対するコマタナの“メタルクロー”をフカマルが“いわくだき”で受け止めた。
「くっ!やっぱり、強いわね!
私のツンベアーの“れいとうビーム”を“かえんほうしゃ”で相殺されるなんて…!
でも、フカマルはたいしたことなさそうね!
“メタルクロー”を“いわくだき”で受け止めるだけじゃ私のコマタナは倒せないわよ!!」
「フカマルだって強いんだ!
フカマルの強さを見くびってたら、絶対に勝てないぜ!」
「言ってくれるじゃない…!
言っておくけど、私はドラゴンバスター!
リザードンを倒すより、フカマルを倒すことを優先させてもらうわ!
コマタナ!そのままフカマルを抑えてなさい!
ツンベアー!“れいとうビーム”!」
ドラゴンバスターとして、倒すべき敵はリザードンではなく、フカマルだと、ラングレーはフカマルに狙いを定めた。
「フカマル!“あなをほる”!
リザードン!コマタナに“かえんほうしゃ”!」
「ッ!コマタナ!避けて!」
「マッ、…ター!」
フカマルに狙いを定め、集中攻撃するも、サトシは冷静に指示をとばした。
攻撃を避けるために、フカマルは“あなをほる”で地中に潜った。
だが、攻撃は最大の防御だというバトルスタイルをもつサトシがただ防御するだけで終わるはずもなく、リザードンに“かえんほうしゃ”の指示をとばした。
フカマルを倒すことに気をとられていたラングレーは、コマタナに避けるように言うが、完全に避けることは出来ず、ゴロゴロと転がった。
「コマタナ!」
「リザードン!コマタナに“かえんほうしゃ”!」
「ツンベアー!コマタナを庇って!」
「そうくると思ったぜ!
フカマル!“りゅうせいぐん”!!」
ふらつきながらも、かろうじて立ち上がったコマタナ。
リザードンの“かえんほうしゃ”は、再びコマタナへと向けられた。
だが、どう見ても、コマタナにリザードンの強力な“かえんほうしゃ”を避けることなど無理だと感じたラングレーは、ツンベアーに庇うように言った。
ラングレーの指示で、ツンベアーはコマタナとリザードンの間に割って入り、“れいとうビーム”を放つことで相殺した。
だが、ラングレーの手の内は読まれていたようで、サトシは地中に潜っていたフカマルに、指示をとばした。
すると、地中から飛び出してきたフカマルが“りゅうせいぐん”を放った。
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