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「きゃー♪
すっごくカッコイイポケモンね!サトシくん!」
「ああ!
俺はいつもリザードンにピンチの時とか、ここぞって時にいつも助けてもらってたんだ。
俺の中で一番、カッコイイポケモンだぜ!」
登場したリザードンのその姿に興奮したのはベルだけではない。
「あれがリザードン!?
本物は初めて見た!
なんかドラゴンポケモンみたいー♪」
「ドラゴンポケモンではないけど、倒しがいのあるポケモンであることは確かね。」
「しかも、あのリザードンが放つオーラの強さ…。
登場しただけで周りを圧倒する力強いフレーバー。
相当、レベルが高いと見たね。」
「何よ!わざわざテイスティングなんかしなくても強いんだってことくらいすぐに分かるわよ!」
「だけど、サトシは本当に強いぜ。
向かい合って実際に戦ってみないと分からないだろうけど、サトシは自分のポケモンを本当に信頼してる。
俺とダゲキがバトルしたヘラクロスもサトシが気合いパンチで防御したあと、すぐに攻撃の指示があることを想定してなかったら、あんなにすぐに対応出来るはずがないからな。」
「確かに、ポケモンたちはサトシの信頼を感じ取っていて、それに応えようとしてるんだってことが強く伝わってくるよ。」
「………。」
リザードンの登場に驚いたのは、デントたちも同じだ。
ヘラクロスやベイリーフも強さを感じたが、あのリザードンはその比ではないように感じてならない。
シューティーは他のメンバーが何かしら言葉を発してるのに対し、終始無言だった。
『サトシくん、ベル選手、準備はいいですか?』
「ええ!もちろん、いつでもOKよ!」
「俺もいつでも戦えるぜ!」
『では、ベル選手、第2試合は本人の希望がありましたのでフロンティアブレーンもポケモンの交代をしてのバトルとなります!
それではバトル開始!』
エニシダの言葉と共にサトシ対ベルの第2試合が始まった。
「エンブオー!“かえんほうしゃ”!」
「リザードン!こっちも“かえんほうしゃ”!」
炎ポケモン同士のバトルは、同じ技を放つところから始まった。
しかし、同じ“かえんほうしゃ”でもリザードンの放つ“かえんほうしゃ”の威力の方が高かったようで、エンブオーの“かえんほうしゃ”はリザードンの“かえんほうしゃ”に力負けしてしまい、そのままエンブオーに向かっていった。
「エンブオー!
“つっぱり”で防いで!」
“かえんほうしゃ”が目前に迫ってきていたことに慌てつつも、“つっぱり”で防御するように命じた。
しかし完全に防ぎきることは出来ず、エンブオーはリザードンの“かえんほうしゃ”をくらい、倒れた。
「強いわね、サトシくんのリザードン!」
「ありがとう!
俺はいつもリザードンに助けてもらってる。
感謝もしてる。
だから俺はリザードンが、恥ずかしく思うようなトレーナーにならないように、もっともっと強くなりたいんだ!」
「そう…。
サトシくんってスゴいね!
サトシくんがフロンティアブレーンになれたのも、そんな思いを変わらず持ち続けていたからなんだね。」
「そ、そうかな?」
ベルの言葉に照れ臭そうな表情を浮かべた。
ベルのまっすぐな言葉。
そんな言葉をかけられることなど滅多にないサトシは照れることしか出来なかった。
「というわけで、サトシくん!
サトシくんのポケモンと私のポケモン交換して!」
「なんでそうなるんだよ!?」
マイペースなベルの発言にサトシは思わずずっこけた。
「と、とにかく交換はしない!
それに今はバトルの最中だ!ここはバトルに集中しようぜ!!」
「えー…交換してくれないのー?」
「だからしないってば!!」
ケチーと言いながらぶうっと頬を膨らませていたベルにサトシは思わず苦笑した。
「ベル!そっちが来ないならこっちから行くぜ!」
「えぇー!?ちょっと待ってよ!
まだ交換について了承をもらってないのにー!」
「だから、交換はしないって言ってるだろ!?
もうらちがあかないから、バトル再開させるからな!!
リザードン!“りゅうのいぶき”!!」
「えっ!?あ…ちょ、待ってー!!
エンブオー、避けてっ!」
バトル大会なのにも関わらずバトルの最中に交換を申し出るベルのしつこさに無理矢理バトル展開へともっていくことにしたサトシはリザードンに指示をとばした。
さすがにベルもバトルに集中しなければならないと感じたのか、慌てながらもエンブオーに避けるよう、指示をとばした。
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