お前を守りたい

設定 ユリルクでユーリinTOAです。

ユーリフィア・ルツ・キムラスカ・ランバルディア。
相性はユーリ。

トリップとかではなくユーリはアビスの住人です。

キムラスカ第1王子、ナタリアの兄、漆黒の髪に翡翠の瞳。
TOV本編の性格で仕事している時は王子モードだが、前科何犯か数えるのがめんどくさいぐらい城から脱走して下町に遊びに行っている。


ユーリフィアことユーリが13歳の時に事件が起こった。

従弟であり、それなりに親交もあったルークが誘拐されたのだ。

直ぐにでも状況を聞きにファブレ公爵家に向かいたかったユーリだが、自分まで誘拐されては大変だと周りの人に止められてしまった。

「ちっ!大事な従弟の安否を気にするのもいけねえのかよ!!」

豪華な自室で大人しくしているようにと、父親である国王に言われ、ユーリは仕方なく自室でいたが、その中でも使用人やメイドから聞いたルークが誘拐された状況を考え、父である国王はマルクト帝国仕業だと考えているがユーリが違うと考えている。

ルークが誘拐されたのは夜中、大貴族であるファブレ公爵家は私用の騎士団まで存在している







そんな厳重警備の中マルクトのスパイがルークを誘拐出来る訳ないし、ルークだって騒ぎ立てるだろう。

つまりルークが騒がず、信頼を寄せている人物。

そして外部犯に見かけた内部の人間の仕業だとユーリは思う。

自室から出るようにと言われて3日ぐらいは考えごとをしながら過ごしていたが、とうとうユーリの限界に達してきたのでユーリは窓から抜け出そうか考えていると、使用人が自室に入ってくる。

ルークが無事に戻ってきたと。

その知らせを聞いたルークは急いで父親に許可を取り、ルークに会いにいった。

そして出会った。

ルークの姿をしているけどルークじゃない無垢な赤ん坊のような子どもに。

叔母のシュザンヌなどはルークの帰還を喜んでいたので、ユーリはそれはルークじゃないとは言えなかった。

しかしルーク本人でなくても、このルークは可愛かった。

自分をきょとんと見つめてくる瞳も、どきどき笑う表情も。

もう1人のルークのことも心配だが、ユーリはこの帰ってきたこのルークも自分にとっては大切な従弟だと思った。

どうかその無垢な笑顔をいつまでもと願いながら、その日はファブレ公爵家を出ることにした。

数日後、ユーリは今日の勉強は終わったのでファブレ公爵家を訪ねた。

そしてそこにいたのは数日前に自分に無垢な笑顔を見せてくれたルークではなく、暗い表情のルークだった。

理由は何となく分かる。

ルークの自室に行く時もユーリはメイド達が「前のルーク様のほうが良かったわ」と陰口をしているのが聞こえたからだ。

ルークはまだ漸く掴まり立ちができ、片言を話すぐらいのレベルだ。

それなのにルークの自室にある、沢山の本の数にガックリした。

こんな難しい本などの前に教えることは沢山あるというのに。

昔のルーク様に…それは今のルークを見ていない言葉と思っていないのか?

ユーリは自室に入ると人の気配に反応したかユーリは目に涙を溜めながら辺りの本をユーリに飛ばしてくる。

ルークなりの拒絶だった。

しかしユーリは飛んでくる本を避けながらルークの傍に行きぎゅっと抱き締めた。

少しでもこの子どもに悪意以外の感情が伝われば良いと…背中をポンポンと叩きながら。

それを暫く続けているとルークは「うわあぁぁ!!」と泣き叫び、ユーリに必死に抱きつくのだった。

暫くして落ち着いたルークはユーリの顔を見ながら、必死で言葉を紡ごうとする。

「……だ………れ……?」

「俺はお前の従弟のユーリフィアだ。宜しくな」

ユーリの長い名前にルークは首を傾げる。

ユーリは長すぎたか…と思い「ユーリだ」と何度も言った。

そしてルークは必死に口を開き、小さな声で「…ゆーり…?」と言ったのだった。

ユーリはその日城に帰る時に偶然、誘拐されたルークに会った。

どうやら屋敷にいるルークは誘拐されたルークのレプリカらしいが、そんなことユーリには関係なかった。

「ルーク、お前はあいつに居場所を奪われたなんて思っているかもしれねえけどな…帰ってきてからずっと前のルーク様、つまりお前と比べられて、生まれたばかりだっていうのに始めに覚えた感情は悲しみ…本当に幸せだと思うか?もう一度憎しみを一度捨ててあいつを見てやってくれ」

ユーリがそう言うと誘拐されたルーク、アッシュと今は名乗っているらしいが、アッシュは見張られているからとバチカルから出ていった。

ユーリは城に帰り、丁度登城していたクリムゾンを自室に呼び出して、一言告げる。

「今いるルーク付きの使用人、家庭教師全て辞めさせろ。全員昔のルークしかみていない…それが今のルークにどれだけ負担がお前も父親なら考えてやれ。これは頼みじゃかい、命令だ」


その言葉にクリムゾンは頭を下げることしか出来なかった。

ユーリはふぅと息をはき、そして脳裏にはあの初めてあった時のルークの表情が頭を駆け巡る。

「ルーク…お前は俺が守ってやるからな」

ユーリは決意し、そしてそれからも時間があるときはルークの元に訪ねるのだった。

数年後には。

「従兄上!来てくれて嬉しいけど公務は大丈夫なのかよ!?」

「ハハ!可愛いお前の為なら公務の1つや2つ…」

「可愛いって言うな!てか!仕事終わってないなら、ここでお茶飲んでる場合じゃないだろ!!」

「気にすんな、気にすんな」

「気になるって!!」

みたいな会話が毎日聞こえてきたみたいです。

END


※※※

ムーン様が仕事を頑張ったご褒美にと小説を書いてくださいました。

というか、当日に作成完了とかどんだけ仕事早いの!?って本気でビックリしました。

私にはとても真似できない芸当や…。

ユリルク、いいですよね!!
というか、ユーリさんがアビス世界にいたらアッシュもルークも救われていたのかなと思うお話でした。

というか、そういうゲーム作ってくれ、ばんなむさんっ!!

ムーン様、私なんぞのためにわざわざ貴重な時間を割いて小説を書いてくださり、本当にありがとうございました!!


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