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「“好き”ってこと……、わからない…、けど…、でも…嬉しい…感情…なんだってことは……覚えてる…。」
「ルーク…。」






ルークの話を聞いてガイたちは悟った。


“好き”という感情を理解していて聞いたわけじゃない。
記憶がただそれを覚えていただけ。



記憶では覚えていても、それが何なのか…それを理解する術をルークは持っていない。
ルークがそれを理解できるようになるためには“愛情”を司るスピルーンを見つけ出してルークに返さなければならないのだから。







「ルーク、今は理解できないかもしれないけど聞いてほしい。

…俺はお前が大好きだ!

だから…、これからもそばにいてくれ、ルーク。」
「…だいすき…?

すきとは違う好き?」
「好きより、もっと…もっと好きだってこと…かな?」
「…分からない…。

“好き”が分からない俺には…“大好き”も分からない…。

でも…“好き”と同じで…嬉しい…気持ち…なんだよな…?」
「ああ、そうだ。


誰かを大切に思う…、とても嬉しい気持ちなんだ。」
「……よく分からない…けど…、ガイを…おれは好き?」
「はは…。


どうだろうなぁ…。
ルークが俺を好きでいてくれたら嬉しいけど…、それは俺が決めることじゃなくてルークが決めることだからなぁ…。」






困ったように笑いながらルークの頭を優しく撫でるガイをルークはぼんやりと見上げていた。






「おれ…、ガイが頭を撫でてくれると…嬉しいよ…。

ガイが笑うと嬉しいよ…。」
「そうか…。

今はその言葉だけで充分だよ。」
「…ガイ、おれ…好きが分かる日が来るのかな…?

嬉しいより、好きを分かる日が…来る…かな…?」
「当たり前だ!


俺が必ず、ルークのスピルーンを探し出してお前に返す!必ずな!」
「…好き、が分からなくて…悲しい…んだ…。

ガイや…みんながいると…嬉しい…のに…、“好き”が分からなくて…悲しい…。」
「ルーク、大丈夫だ!

今は分からなくても、分かる日が必ずくるから…。」
「本当…?」
「ああ!」





不安そうなルークをガイは再び強く抱きしめた。
こうすることでルークの悲しみや不安が少しでも和らげばいいと…そう願いながら…。












「ハァ…。

完全に2人の世界ね…。」
「この中で1番付き合いが長いのはガイです。

ガイを受け入れたルークにとって、ガイに言われるのが1番に安心すると思いますよ。」
「…これでガイの過保護に更に磨きがかかりそうだな…。」
「あれ以上、過保護が強くなっても見てるこっちは迷惑なだけだけどねー…。」
「いつか…。」







ルークを抱きしめ、優しく頭を撫でるガイに呆れつつ、各々が言葉を発した。



そんな中、ナタリアがぽつりと呟いた。
視線はルークに注いだまま、ナタリアは次の言葉を発した。

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