決めてくれなんて絶対無理!
「ふざけるな!こいつはオレのものだ!」
「ふざけてるのはキミのほうだろう?サトシがキミのものだなんて」
・・・さっきからずっとこの調子だ。オレは目の前のご馳走を前にして食べることが出来ないという拷問に必死に耐えているというのに。
それをこいつらオレを無視してずっとケンカしてる。オレが誰のものとかどうとか・・・ってオレはものじゃないっての!
今日はシンオウリーグが終わってマサラに帰ってきたオレのねぎらいのパーティーのはずだろ!?
そしたら何故かシンジがついてきて(オーキド博士に会いたいからって言ってたけど)そしたらシゲルがたまたま帰ってきてて、二人の目があった瞬間ケンカが始まったわけ。
主役のはずのオレは見事に置いてけぼりだ。
「なんかあいつらオレのこと忘れてるみたいだし、先に食べちゃおっか?」
「ピーカァ・・・」
肩に乗ってたオレの相棒に声をかければ同意の返事が帰ってきた。それでは早速、とご馳走にありつこうとしたその時だ。
「サトシ!キミはどっちが好きなんだい!?」
「はぇ!?」
いきなりシゲルに声をかけられて思わず変な声を出してしまった。なんだよさっきまでオレのことなんかアウトオブ眼中だったくせに!
再びご馳走をお預け状態にされたオレとピカチュウ。ピカチュウは今にも電撃を発射しそうな勢いだ。
その間にも二人はオレに詰め寄ってくる。
「答えろ!お前はどっちが好きなんだ!?」
「な、何言ってんだよ?オレはどっちも好き・・・」
「友達としての好きじゃない!恋人としての好きなんだ!」
「こ、恋人としてって・・・え、えぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!?」
いくらお子ちゃま扱いされるオレでもそれが大変なことだってすぐ分かった。この二人はそんな目でオレを見てたわけ!?おんなじ男だぞ!ああ顔が熱い。きっと今オレは顔が真っ赤に違いない。今からでも逃げられるかな?
でもこの二人は追撃の手を緩めない。・・・こうなったら最後にして最強の手段だ!
「ピカチュウ!十万ボルト!!」
「ピカッ!ヂュウゥゥゥゥッ!!」
もともとイライラが溜まっていたピカチュウの電撃はオレの想像以上に凄まじく、二人はあっという間に黒こげになって倒れた。多少罪悪感があったけど二人が目覚める前にとピカチュウと一緒に家から飛び出した。そして誰にも気づかれないくらいの声で
「どっちかなんて決められるわけないじゃん」
って言った。
だってどっちも大好きだから!
〈END〉!
※※※
神有月神無さまから相互記念にいただきました♪
個人的にサトシの「はえ!?」に笑っちゃいました☆
最後はピカチュウに電撃を頼むあたりがサトシらしいなぁなんて思ったり。
サトシはみんなから愛されるあまり、争奪戦とか勃発してるといいなーなんて考えてたりする私はやっぱり腐りきってるなー(*^W^*)
神無さまー!素敵なお話、ありがとうございました☆
これから仲良くしていただけると嬉しいです(^^)
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