大人になった僕
「バカは風邪を引かないっていうのは嘘みたいだね。」
「うるさいな…。」
とある小さな小屋の中。
そこには少年が2人いた。
そのうちの1人…サトシは荒い呼吸を繰り返しながら横たわっていた。
それを看病するのはサトシの幼なじみのシゲル。
サトシと会ったのは本当に偶然だった。
流れの早い川の横の道を歩いていたシゲルは何かを守るように抱えながら流されているサトシを発見し、慌てて救出した。
救出したあと、サトシが抱えているものを見れば、そこにいたのは、ヒメグマだった。
サトシから話を聞けば、足を滑らせ、川に落ちたヒメグマを助けるために川に飛び込んだのだと言う。
そして助けたヒメグマを親の元…、リングマのところまで導いて別れたあと、サトシはいきなり倒れた。
倒れたサトシを抱き起こし、額に手をあてたシゲルは慌てた。
自分の手はすぐにサトシの熱の高さを伝えてきたのだから。
無理もない。
寒さが厳しくなってきたこの季節に川に飛び込んで流されていたにも関わらず、服を乾かすよりもヒメグマを親の元に返すことを優先させたのだから。
シゲルはすぐにサトシを背負い、休める場所を探した。
そして、小さな小屋を見つけ、今に至るわけだが…。
「君は僕を心配させることしか出来ないのかい?」
「…ごめん…。」
「ポケモンのことになると、それしか考えられなくなるところは…君らしいのかもしれないけど…あまり無茶をしないでくれよ、サトシ。」
「でも…、タケシやヒカリやピカチュウがきっと捜してるだろうし…早く戻らないと…。」
「そう言うだろうと思ってブラッキーにこのことを知らせるように頼んだから気にしなくていい。」
「さすがはシゲル…だな…。」
「それよりも、早く眠った方がいい。」
「そういえばさ…、昔もシゲルに看病してもらったことあったよな…。」
眠った方がいいと言うシゲルにサトシは昔を懐かしむような表情を浮かべながらそう言った。
「子供の頃から君は無茶ばかりだったからね。
雨の中…遊び回ったり、川を飛び越えようとして落ちたり…、今はポケモンと密に接する機会が多い分、拍車がかかってるみたいだしね。」
「シゲルは…なんか大人になったよな…。
昔は俺をバカにしてばかりだったのに…。」
「…昔は…。」
「ん?」
「いや、いいよ。
もう眠った方いい。」
「ん…シゲルの手…、冷たいな…。」
「熱が高いからそう感じるんだよ。」
「ありがとう…、シゲ…ル…。」
サトシの額にそっと手を置き、眠るように促すとサトシは静かに眠りについた。
「昔は…、そうすることでしか君と接することが出来なかっただけなんだよ。
…だけど今は、君を守りたいと思っているんだ。
無茶ばかりする君を守れるくらいに強く在りたいと思える。
…これは君が言ったように僕が大人になった、ってことなのかな?」
眠るサトシの頭を撫でながらシゲルは誰に言うでもなく、ぽつりと呟いた。
サトシを看病するシゲルの目はとても穏やかで、…そしてとても温かいものだった。
※※※
本当になんじゃこりゃな内容ですが…。
ほとんど突発でかいたような駄作なので、見逃してやってください…!
偶然出会ってサトシを助けるシゲルとか萌えるなーなんて考えたり…。
閲覧いただき、ありがとうございました☆
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