ボクの居場所
今のマスター…サトシと出会う前、ボクは別のトレーナーと共に旅をしていた。
ボクと別れる前のマスターはとても悲しそうだったから。
だからマスターのことを嫌いになれなかった。
マスターもボクと別れたくなかったけど仕方なく別れたんだと思ってた。
でも違ってた。
悲しそうなフリをしていたマスター。
その言葉にボクは辛くて、悲しくて、ただただショックだった。
マスターに強くなったところを見てもらいたかった。
でも、悲しそうな表情をしていたマスターの顔を思い出したら戦えなかった。
なのに…違ってたの?
ぜんぶ…、全部ウソだったの?
信じてたのに。
マスターも同じように悲しんでくれてたんだって。
それがウソだったって知ったら…もうショックで起き上がることもできなかった。
そんなボクを見て、ツタージャは言ったんだ。
『このままでいいの!?
あのトレーナーに自分を捨てたことは間違いだったんだって認めさせてやるために今は戦わなきゃいけないんじゃないの!?』
でも、…でも…、信じてたものが偽りだって知ったら…何も信じれなくなって、どうしても戦う気持ちになれなかった。
ツタージャは戦う気持ちになれないボクの分まで必死に戦ってくれた。
ツタージャからしたらエンブオーもクイタランも相性が悪いはずなのに。
みだれひっかきに、ヒートスタンプなんて連続攻撃を受けてもツタージャは立ち上がった。
フラフラになりながら立ち上がってツタージャはボクを見て言ったんだ。
『サトシやわたしたちのことまで、疑わないで!
信じて!わたしたちは絶対に負けない!絶対に負けられない!一緒に戦うから!』
その言葉にボクは驚きを隠しきれなかった。
ツタージャはボクの気持ちを理解してくれてる。
信じることが、怖くなってしまいそうなボクの心を揺さぶってくれた。
サトシにツタージャの気持ちがわかるだろ!?って言われてボクはようやく戦う気持ちが強く燃え上がってきた。
ツタージャの負けたくないという強い意思と、サトシがボクのことを強いと信じてくれる思いを受けて、そしてボクを庇って戦闘不能になりながらもボクの戦いを見守ってくれるツタージャや仲間たちの力強い視線や言葉を受けてボクの体から強い力がわきあがってくるのを感じた。
ボクが勝てたのは進化したからじゃない。
みんなが、信じてくれたからなんだよ。
ありがとう、サトシ。
ありがとう、ツタージャ。
ありがとう、みんな。
ボク、みんなと出会えたことを誇りに思うよ。
バトルに勝って、マスターに戻ってこないかと聞かれたボクは迷わずサトシたちのそばにいることを選んだ。
…少し前のボクなら迷っていたかもしれない。
だけどボクの居場所はサトシたちのそばにあるから。
そしてなにより、ボクのことをいつも見捨てず見守ってくれているサトシのことを冴えないなんて言うことが許せなかった。
みんなのそばがボクの居場所。
仲間がいて本当に良かった。
勝利を一緒に喜べる仲間たちと出会えたボクは本当に幸せ。
End
※※※
ポカブ対エンブオーを見て浮かびました。
ていうかただ捨てるだけじゃなくて悲しそうなフリをするとかなんて性格の悪い奴なんだ!
今回、ツタージャが本当によく頑張ってましたね。
ポカブ…というかもうチャオブーですが…彼はいいトレーナーや仲間と出会えましたね( ノД`)…
ツタージャ姉さんの通訳したのはもちろん私の想像です。
ツタージャ姉さん、好きだーーっっ!!
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