ずっとずっと大好き
―――ねえ?みんなはサトシのどこが好き?
旅の途中の休憩という名のおやつタイム。
のんびりとした時を過ごしていたサトシのポケモンたちはピカチュウの突然の問いかけにきょとんとした。
『なに?いきなり。』
突然すぎる問いかけにツタージャは意味が分からないといった様子でそう返した。
『特に深い意味はないんだ。
でも、みんなはサトシのどんなところに惹かれて一緒にいるのかなって思っただけなんだ。』
ツタージャのつんけんした態度にピカチュウは特に機嫌を損ねた様子もなく、思ったことをそのまま伝えた。
『ボクはね、勝っても負けても頑張ったことを認めて褒めてくれるところが、好き!』
『わたしは、サトシの優しい笑顔や言葉が好きです。』
『ボクはね、サトシはボクのことをやるときはやる奴なんだって理解してくれてるところ!』
ポカブ、ケンホロウ、ミジュマルの順にサトシの好きなところをあげた。
三匹とも、サトシのことを本当に好きで好きでたまらないのが、その表情から感じることができた。
『きっかけは、ボクのことを体をはって助けてくれた時かな?
あの時にこの人と一緒に生きて、同じものを見て…感じてみたいと思ったからかな。』
『……、…あの人は他を見下さず、同じ目線にたってくれるから…だと思う。』
次いで、ハハコモリ、ツタージャがサトシの好きなところをあげた。
ツタージャは相変わらずクールな様子ではあったがサトシのことが好きで一緒にいるのだと遠回しではあったが、告げていた。
『そういうピカチュウはどうなの?』
ポカブの問いかけ。
その言葉に他のポケモンたちの視線も自然にピカチュウへと、注がれた。
五体のポケモンの視線を感じながらピカチュウは嬉しそうに目を細めながら口を開いた。
『やっぱり、一番好きなのは笑顔。
サトシが笑顔になるとボクも嬉しくなるんだ。
それと、サトシがボクのことをギュッと抱き締めてくれるところ。
サトシに抱き締められると安心するんだ。
だけど…、何よりもサトシはボクたちのことを絶対に見捨てないし、諦めたりしない。
それを、態度に示してくれるから…他の何より誰よりも信じられる。』
そう言ってピカチュウはにっこり笑った。
それでも、出会った頃はサトシのことを好きじゃなかったし、ここまで信頼しあえる関係を築けるなんて思ってなかったんだけどね、と苦笑しながら言えばポカブたちはサトシとの出会いはどんなだったのか、今までどんな旅をしてきたのかと、質問攻めにした。
サトシと過ごした時間は他のどのポケモンよりも長いから、必然的に質問攻めにあうのだが、実はこれは初めての経験ではない。
他の地方を旅して出会ってきたポケモンたちからもいつも同じように質問される。
ピカチュウはその度にサトシの人柄について説明する。
いつだってどんなときだって、サトシは変わらない。
仲間を守るために体をはるところも、同じ目線に立ってくれるところも。
決して見下したり見捨てたりしないところも。
そして心に傷を負ったポケモンたちでさえ、サトシにはみんな心を開く。
それはサトシの人柄やあたたかさがそうさせてくれるのだ。
「みんな、なんか楽しそうだな?
俺もまぜてくれよ!」
そう言いながら乱入してきたのは、正にピカチュウたちが話をしていた、張本人。
まさか自分の話をしているとは思ってないのか、仲間外れにしないでくれよと少しふてくされている。
そんなサトシの周りにピカチュウたちは集まる。
それも、自然に。
サトシに抱き締めてもらおうとポカブやミジュマルがその腕の中に飛び込めば、取り合いでケンカになり。
それをサトシが苦笑しながら止めて。
サトシの右隣にケンホロウ、左隣にハハコモリが陣取り。
どさくさに紛れてツタージャはサトシの背中にもたれかかり。
ピカチュウは定位置の肩に飛び乗り。
囲まれたサトシはどうしたんだよ、みんな?と言いながら笑った。
―――…ねえ、サトシ。
ボクもみんなもサトシのことが、大好きなんだよ。
サトシの信頼に応えられるように、サトシのことを守れるように、みんな強くなりたいって思えるんだよ。
サトシ、これからもいろんなことを経験して一緒に乗り越えていこうね。
ボクも、みんなもサトシのこと大好きだよ。
今も、そしてこれからもずっと。
ずっと、大好き。
End
※※※
…なんか、突発的に書いてたのでよく分からないカンジになっちゃいました。
ただ、サトシが愛されてるお話が書きたかっただけだったり。
今回はピカチュウ、ポカブ、ミジュマル、ケンホロウ、ハハコモリ、ツタージャさんで、書いてみました。
まあ、他のポケモンも、似たり寄ったりになっちゃうのだろうけども。
久々に短編書いたのでまとまりないなぁ…。
閲覧、ありがとうございました♪
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