仲間を想う日
「キバ……ックシュ!!」
「また出たね。
りゅうのくしゃみ。」
「りゅうのいかりですーッ!!」
あれから、また旅の途中…休憩をしている時にアイリスはデントに頼み、バトルをしてもらっていた。
だが、相変わらずうまく“りゅうのいかり”が決まらないキバゴ。
デントも苦笑しながらそれを見つめていた。
「なんか…、フカマルを見てるみたいだな、ピカチュウ。」
「ピーカ。」
そのやり取りを見つめていたサトシはぽつりとそう呟いた。
その呟きはデントにもアイリスにもしっかり聞こえていたようで、サトシの方に近付くやいなや、口を開いた。
「フカマルって、確かドラゴンポケモンよね!?
実物を見たことはないけど、どんなカンジの子なの!?
それに、フカマルもキバゴみたいにうまく“りゅうのいかり”が使えなかったの!?」
「ちょ、アイリス…フカマルは“りゅうのいかり”じゃなくて…」
「そういえばサトシはイッシュ地方以外も旅をしたんだったね!
どんなポケモンと会ったのか是非とも聞かせてほしい!
いや、どんなポケモンをゲットしたのかを教えてくれないか!?」
「あ…いや、デント…、けっこういるからキリがないし…、」
「ダメよ、デント!!
キバゴに似た子の話が先なんだから!」
「ちょ…、」
ぽつりと呟いた言葉がデントとアイリスの興味を引いたらしく、ずいずい迫りながら聞いてくる2人にサトシは顔をひきつらせた。
数十分後、ようやく落ち着いた2人にサトシは懐かしむように空を見上げながら口を開いた。
「フカマルはさ、なんにでも噛みつく癖がある奴でさ。
俺の頭によくかじりついてたりしたんだ。」
「それのどこがキバゴに似てるのよ?
キバゴは噛みついたりしないわ。」
「最後まで聞けって。
…フカマルは、流星群を覚えたくて、でもいつも不発でさ…。
失敗ばかりしてたんだ。
しかも、その不発弾はその時…一緒に旅をしていたヒカリのパートナーのポッチャマにいつも当たるんだよ。」
「…流星群は…、完成したの?」
「ああ。
シンオウリーグでのバトルで出来るようになったんだ。
コツを掴んだそのあとは、流星群を使えるようになったんだよな。」
「へえ…。」
「だからキバゴもコツさえ掴めば出来るようになると思うぜ。」
「…そうね。」
「サトシ!!
くさポケモンはどんなポケモンをゲットしたのか聞かせてくれないか?」
「…フシギダネ、ベイリーフ、ジュカイン、ドタイトス…だな。」
「会ってみたい…!
サトシ!!サトシのポケモンにいつか会わせてほしいんだ!」
「あ!私も!!
私は特にフカマルに会ってみたいわ!」
「そうだな。
もし機会があったらみんなに会ってくれよ。
みんな、いい奴ばっかだからさ!」
「でもさ、他の地方でゲットしたポケモンで旅はしないの?
そうした方が楽じゃない?
その子たちと旅をした時間はミジュマルたちとは違いすぎると思うんだけど…。」
「俺は新しい地方では、新しく出会ったポケモンたちと、ジム戦で戦いたいんだ。
それに、その方が新しく仲間になったポケモンたちとも仲良くなれるし、今まで旅をしてきたポケモンたちはそれをわかってくれてる。
だから、今までの地方で旅をしてきたみんなとバトルするときはリーグ戦がいいんだ。」
「…そうなんだ。」
「いろんなポケモンに会ってきて、今まで旅をしてきて今の俺がいるんだ。
時々、みんなに会いたくなるけどな。」
優しい笑みを浮かべながら、サトシはそのあともいろんなポケモンの話をした。
特につい最近まで旅をしていた、ドダイトス、ゴウカザル、ムクホーク、ブイゼル、フカマル、グライオンの話をして笑った。
デントとアイリスはそれを嬉しそうに耳を傾けて聞いていた。
気付いたら日も暮れ、サトシたちはそのあと、結局野宿をするはめになったという。
END
※※※
アニポケを見たあとにこんな話が頭に浮かんでほぼ勢いのままに書きました。
キバゴがフカマルとかぶったことから浮かんだ話なんですが、書いてて楽しくてたまりませんでした
(`∀´)
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