▽夢オチ
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部屋の扉を開けて視界に飛び込んできたのは、
「なっなっ何やってるんですか、アナタは!」
何が起きているのか認識すると、同時に思わず叫んでしまった。
さっ、冴子さんがメイド姿!!
かわいい!
イヤイヤ違う…、
そうじゃなくて。
仕事で使う服だと言う。
だがこれは、一体どんな仕事なのだと、これは何かの嫌がらせなのか。
はたまた、忍の罠か。
とりあえず、近くに忍が降って湧いてこないかと、どこかの黒猫さんだったりしないかと、あたりをキョロキョロと伺う。
挙動不審なワタクシにかわいいメイドさんが、
「お帰りなさいませご主人様」とお伺いをたてます。
しかもハートマークが付きそうな語尾に目眩がする。
なんてことだ。

「どうだい諒、僕の妹はかわいいだろう」
背後から突然にょきっと忍が沸いて出てきた。
というか、冴子さん、なぜに嫌がらずにアナタも着ているのでしょうか。
スカートが短かすぎだ、こんなのを表で着たらダメではなかろうか、いやむしろ自分の前ではアリなのか?と、自問自答を繰り返す。

ふと、我に返る。
イヤまて、やはり、何かがおかしい!
頭を抱え込んでガシガシと掻き毟るように苦悩する。
冴子さんも、意地悪な忍も微笑んでその様子を眺めているだけだ。
……。

「うーうー」
体を激しく揺さぶられ思考が現実へと戻る。
頭がまだぼやーんとする。
「諒ちゃん、大丈夫?すごいうなされてたわよ」
冴子の声が近くにする。
いつのまにか着替えたらしい。
「あれ、わたくしめのメイドさんはイズコに?」
「なに言ってるの?」

あー、…夢、ですか。

夢でよかったです。

2011/1/12→加筆:2012/02/01

 

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