朝は10時に待ち合わせて、雑貨屋さんや服のお店なんかを見て回った。 お昼は新しくできたばっかりのパスタ屋さんへ行って、カップル限定メニューを勧められて照れてみたりした。 夕方からはふたりで携帯のワンセグを使っておなじみの歌合戦を見ながら流行の曲を口ずさんで、人気バンドのパフォーマンスに笑って。それからどちらからともなく携帯を閉じて神社の方向へと向かったのだ。
年越しの定番の歌合戦はまだ続いていたけれど、手を繋いだからもう続きは気にならなかった。途中で見るのをやめても問題ないという点で、歌番組はおあつらえ向きだ。暇つぶしのテレビ番組をお笑いとか、バラエティにしなくて良かったと思う。彼はバラエティも見たがったのだけれど。
「今年ももう終わりかー」 「そうだね」
キャラでもないけど少し惜しんでみる。さみしいな、なんてちょっとだけ思ったりして。でもきっと数十分後にはハイテンションであけおめー!なんてはしゃいでる。わたしたちなんてそんなもんだ。ノリと勢いだけで生きている。
そんなわたしたちすら少しだけしおらしくなる年の瀬。 正臣は笑う。今年はありがとう。 わたしも笑う。来年もよろしく。
そうしてまた、押し黙ってカウントダウンを待つのだ。 白い息、赤い鼻、今年の残り時間は刻々と過ぎていく。
20121231
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