理解できない。彼は苦虫でも噛み潰したみたいな顔で言ってのけた。
「俺は、女の子らしい子がタイプなんだ」 「・・・うん」
裁縫とか得意でさ、お菓子作りが上手でさ?綿菓子みたいにふわふわしてて、笑うと気持ちが癒されるようなそんな女の子が。だってかわいいだろ?女の子ってのはかわいいものだし、男はかわいい女の子が好きなものだ、と。そう言うのである。
「それをお前ときたら、がさつだし料理もできないし、部屋汚いし男よりバトル強いし、まあ俺よりは弱いけど、でもそのくせに俺より不器用だし、バカだし口悪いし、笑い方に品がないし、」
つらつらと私のダメなところが述べられる。そんなに言われても私にはどうしようもないことばかりなのに。 苦笑いで聞いていたら、無防備だった手を捕まれて肩が跳ねた。びっくりした。いきなり触るの、やめてほしいんだけどなあ。苦笑が更に深くなる。
「…なのに何で俺はお前なんかを好きで、付き合ったりしてんだろうな」
思わず吹き出してしまった。彼は文句ありげに睨んできたけれど、笑わせるようなこと言ったトウヤが悪いんだよ。だってさ、「どうしてトウヤが私を好きになったか」なんてそれこそ、私に言われても仕方がないことだよ。
20120325
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