「せーいちー」 「なに」 「あんたさあ、彼女って何組の子?」 「は?」 「え、だから彼女だって。いるんでしょ?」 「いやいないけど」 「え」
「・・・何その変な顔。何か余計なことでもしたわけ」 「いやあ・・・今日隣のクラスの女の子たちに"幸村くんって彼女いる?!"って聞かれて、多分いるはずって答えちゃった」 「ああ・・・まあいいけど」 「いいんだ」 「多分知らない子だし」 「でしょうよ。えー、でも意外。どうせいると思ってた」 「何その"どうせ"って。いないし。正直今あんまり興味ない」 「ふーん。天下の幸村精市くんも中学生だったんだねー。安心した」 「その点ナマエは欲しくてもできないだろうから心配してないよ」 「失礼な!私だって結構・・・けっこ、う、モテるんだからね!」 「それは初耳」 「うるさい!精市が兄じゃなかったら三億倍モテてたねこれ」 「は?俺のせいなの?」 「らしいよ。精市みたいなのがいると比べられると思うんじゃない?」 「ふーん。ならそんな奴が引っ掛からなくて良かったじゃない」 「わあポジティブシンキング!」 「事実ね」
「・・・っていうか私のことバカにしてるけどさ、私だって本当に結構やるんだよ?今日なんかラブレター貰ったもんね!」 「嘘。誰だよそんな脳みそ腐敗してる奴」 「へへーん、内緒ー!」 「俺そいつとは一生共感できなさそう」 「ふふふ!・・・まあ宛先は精市なんだけどねー。はい1年生の子から」
「お前ほんっとうざいな」
20111128 きみもね。 いいふたごの日に出遅れた
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