小ネタ | ナノ

 
 
 「いい加減、泣き止めえ」
 「だって・・・」
 無理だよ。私には無理。泣かずになんかいられない。

 「・・・んなによかったかあ?あのドラマ?」
 「よかったじゃん!!特に最後とか!!」

毎週欠かさず見てたドラマ。今日は、最終回だったのだ。


 ヒロインが死んで、その人の分まで生き続けると決めた男の子。そんな彼に、私の涙腺は崩壊。

 「切ないね・・・」
 「まぁなあ・・・」

 知らなかった。死って、あんなに悲しいんだ。

でも、きっと彼女は幸せだったよね。あんなこと言ってくれる彼がいて。
私にも・・・あんなこと言ってくれる彼がいるんだろうか?


 「ねぇ、スクは言ってくれる?私が死んだら、私の分まで生きてくれる?」
 「んな訳・・・ねえだろお」
 「あっそ・・・」

 やっぱ、いないか・・・。スクはくだらねえこと聞くなあ!と怒鳴った。


 「いいか、俺より先に、お前が死ぬなんてことはありえねえからなあ!!」
 「・・・なんでよ」


 「なんでって・・・


俺が、させねえよ」


 だから、死ぬなんて二度と言うな、例え話でも、だ。



そう、アナタは真剣に続けた。




頬に触れた優しい手


(私は、そうだね、と言ってアナタに笑いかけた)




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title by:)きみに届け 様


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