玄関ががちゃりと開く音がして、間もなく部屋のドアから茶色の髪が入って来た。じゃんけんで負けておやつの買い出しに行ったファイアである。
「ファイアおかえりー!」 「・・・」 「楽しかった?」 「・・・」 「あはは、ご苦労様!」
「・・・もう絶対ナマエとじゃんけんはしない」 「とーか言って、"貴様と話していても拉致があかない。他の手立てを考えるぞ"とかカッコつけてたのはファイアじゃん。あたしはじゃんけんを提案しただけだよ」 「黙れ」 「わあ理不尽!あ、それが買い物?あたしの頼んだやつちょーだい」
「・・・ん」 「わーい。抹茶ラテとプリンー!・・・って、え、ちょ、」 「何だ」 「え、ちょっとファイア!あたしの頼んだプリンこれじゃないよ!」 「ちゃんとプリンだろうが」 「あたしの頼んだやつと違うって言ってんの!誰がこんなお徳用プリン買って来いって言ったよ!」 「は?何だよお前、3個でイチキュッパのプリンじゃ不満だってか」 「あたしが欲しかったのはコンビニとかで売ってる一個100円のプリンなのー!」
「プリンはプリンだろうが!一緒だろ?!」 「味も舌触りも全然違うわよばか!買い直して来い!」 「はあ?!我が儘言うな!」 「じゃんけん負けたくせに文句言うな!えー、もうばかー!あたしすっごい楽しみにしてたのにー!」
「・・・」 「あー!しかも自分だけリッチにお高いアイス買ってるし!せこいのよあんた!」 「俺が行ったんだから当然だろ」 「納得いかないわよ!もう!お詫びとしてちょっと一口寄越しなさいよね!」 「意地汚い女だな。ならそのプリン1つ寄越せ」 「え、嫌。これはあたしのです」 「お前そのプリン欲しいやつじゃなかったんだろうが」 「貰ったらあたしのものなの!」 「意味がわからん!」 「わかんなくて結構!」
「あああもう!っとに面倒くさい女だな!」
20110913 (ファイアくんにイチキュッパって言わせたかっただけ)
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