タイトル通りの小ネタ、なんか記憶引継ぎ転生とかで中身は大人だけど見た目だけ幼女、とりあえず周りを振り回す。
「(今日はジョージで遊ぶか) ねぇジョージお兄ちゃん、赤ちゃんってどこから来るの?」
「梟が運んでくるんだよ」
「(お決まりの回答きたわー、つまんねー)梟はどこから運んで来るの」
「赤ちゃんの国からさ」
「(赤ちゃんの国ってなんだよ)赤ちゃんはどうやって赤ちゃんの国に来たの?」
「そりゃ、魔法でだよ」
「(赤ちゃんすごすぎわろた)魔法で赤ちゃんの国に来る前はどこにいたの?」
「フレッド!にやにやしてないで助けろ!ちょっとママ呼んで来い!」
「(おもろい)」
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「(ロンくっそ腹立つわー、ちょっと仕返しするか) ハーマイオニーお姉ちゃん、ぎゅー」
「あら、どうしたの。寝てたんじゃないの?」
「んー、なんでもないよぉ。ちょっと怖い夢みちゃっただけ」
「そうなの……。ほら、おいで、お姉ちゃんももう寝るから、今日は一緒に寝ましょう」
「あのガキ今こっち見て鼻で笑いやがった! 止めるなハリー! ちっくしょ、ハーマイオニーと喧嘩なんかするんじゃなかった……」
「(ざまみろ赤毛、幼女舐めんな)」
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「シリウスお兄ちゃん、今日はいっしょに寝ようねー」
にっこり笑ってシリウスの方を見る。おお、戸惑ってる戸惑ってる。いくら幼女って言っても一応女の子だし、気にするのかなぁ。でもまあ、一緒に寝るくらい年齢的にもギリギリじゃない?うん、ギリギリアウト。
「あー、一人じゃ寝れないのか?」
しゃがんで目線を合わせながらそう言う彼は苦笑いだ。見た目は小さな女の子だけど、私は大人だ。彼が心底困っていることはよくわかる。よし、それならば。
「やだー、シリウスお兄ちゃんとがいい!あ、レギュラスお兄ちゃんもいっしょがいいなぁ」
小さな女の子は、このくらいの我儘を言っても許されるのだ。涙目でじっとグレーの瞳を見つめれば、彼が折れてくれる事くらいわかっている。泣かれたら困るもんね。
「……仕方ない、今日だけだ」
ありがとう、と思い切り抱きつく。私はまだ小さいから、兄弟間にもう亀裂が走り始めているなんてわからない。純血主義だって、よくわからないから。
「あ、レギュラスお兄ちゃん! 今日は三人でいっしょに寝ようね!」
通りかかったレギュラスの足に飛び付いて、ぎゅ、と力を込める。ちらりと見上げれば、戸惑うと言うよりは心底嫌そうな顔が見えてちょっと笑いそうになった。
「レギュラスお兄ちゃん、いや? 私のこと、きらい?」
一応、私は由緒正しい純血一家の一人娘だ。ここで彼が嫌いだと答えるはずがないことはわかっている。そのくらいで縁が切れる事はないが、わざわざ波風立てる必要もない。
「わかったから、そんな顔をするな」
たんつんお坊っちゃんも、幼女にはそこそこ優しいのね。ならもう少しからかってやろうか。
「じゃあ、三人で寝れるの? うれしいなぁ。ね、お兄ちゃん、約束のちゅーは?」
形の良い唇が、は?と言いたげに動くのが見える。あらやだ思春期の男の子ったら、子供とのキスなんて犬とするのと変わらないわよ。なんてにやりと笑いながら、ぐっと背伸びをする。
「約束、してくれないの?」
いつの間に逃げたのか、シリウスの姿はない。ふむ、それなら少しはしゃいでもいいかしら。そっとさらに必死に背伸びをして手を伸ばし、首の周りに絡ませる。お姉さんストレスたまってんのよ。ちょっとくらい若い子からかったっていいでしょ。
固まっているレギュラスの唇に、自分のものを重ねる。ゆっくり角度を変えて、舌をねじ込めば、肩を掴まれ引き離された。まあ、年齢差的にも勝てるわけもなく。
「……!? ちょ、え、なに、どこで覚えてきたんだこんなこと!」
面白い。めっちゃ慌ててる。いやまあそりゃそうか。
「大切で大好きな人とは、こうするんじゃないの? シリウスお兄ちゃんが言ってたよ」
嘘じゃない、シリウスが綺麗なお姉さんとキスしてる現場に遭遇してしまった時にそう説明されたもん。
「……クソが」
おー、怒ってる怒ってる。一緒に寝るときもこのネタぶり返してやろう。
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なんだろう、なんか、エグい。もっとエッチでキャッチーなギャグが書きたかったのに。