2013.06.02

Twitterでね。
たびたび、永井くんのぱんつが話題になるんですよ。

ボクサーなのかトランクスなのかブリーフなのか、まさかのふんどし……ジャパニーズ紐パンなのか、他の何かなのか。

あとは、パンツたべたいとか靴下たべたいとか、しまぱん穿かせて万歳させて涙目のところをビデオカメラで舐めるように撮影したいとか私の頭の中の沖田さんが言ってますけど、そういう定型句ですね。
よくありますね。

そんな流れでつぶやいてたネタ。



沖田さんも永井くんのパンツかぶれば助かったんじゃないかな……。
他に類を見ない究極のフィット感が奇跡を引き起こす。


『不時着後、沖田がいないことに気付く永井だが、三沢に促されやむなく現場を離れる。
外部との連絡を絶たれ孤立した彼らに怪異が迫る。
仲間の死体が起き上がり襲ってくる……現実離れした光景に混乱する永井を救う謎の男。
「それは私のおいなりさんだ」
亀甲縛りと半長靴、パンツ覆面に各種武装のみを身につけ、しなやかに鍛え上げられた肉体美を惜しげもなく晒し、超人的な力で屍人を薙ぎ倒す……その姿は紛れもない、変態。
「お前……沖t「私は変態89号。末法の世に希望を与える為、光の国からやってきた愛の戦士だ」
あまりのことに素に戻る三沢の突っ込みを封殺する89号、沖田を案じながらも89号に心強さを覚える永井。

そして探索中、永井は重大なことに気付く。
「あれっ……」
「どうした」
「……俺、パンツはいてません……」
輸送機に乗る前までは確かに穿いていたのだが。
「沖田がかぶってるだろ……」
「沖田さんがそんなことするわけないっす! 変な言いがかりつけないでくださいよ!」
「あのさ、永井くん、あの変態どう見ても沖t「お喋りしてる余裕はないぞ、二人とも! 新手の敵だ、応戦しろ」
「了!」
「いやいや沖田、なんでお前が仕切る」
「私は変態89号。それ以上でも以下でもない……」


失踪した沖田、そして永井のパンツの行方は。89号の正体とは。ついでに三沢のトラウマスイッチのありかは。
謎と波乱に満ちた島にサイレンが響きわたる……。
※決して、変質者が卑猥な姿でおいなりさんを押し付ける事案の発生をお知らせする警戒警報ではない。


<次回予告>
打ち倒した屍人、闇人を一体一体、匠の技で緊縛していく89号。
もはや向かうところ敵なしと思われた彼らに突きつけられた新たな試練。
次回、『ぅゎ 女子中学生 っょぃ』。
君は時代の涙を見る。


ほら、そういう可能性が収束する世界線もあるんじゃないかなって思えば悲しみも千切れて飛んでいくだろう?


市子ちゃんのパンチラに無反応な89号さんは、永井くんのノーパン尻でテンション爆上げです。



お供「訓練中、沖田が深刻そうに『永井もさ、ズボンの下はパンツ一枚なんだよな』って言い出した時はついにおかしくなったのかと思いましたが、『つまり…布2枚下はもう生尻じゃないか。危険すぎる』と、あたたかくも純粋な心配の目を永井に向けていたので、医務室まで連れてったら39度の発熱してました」


でも普段も言わないだけでそんなこと考えてるって。


**********


※なぜこんな↑ことを言い出したかといえば。

先にこんな↓ことをつぶやいたから。


波がきらきら光る初夏の砂浜を、片手に靴下げて、片手はしっかり繋いで歩く沖永ちゃんを妄想するだけで幸せになれますね。
遠い水平線に雨雲が見えるけど砂浜は晴れてあたたかくて幸福には一片の影も落ちていなかった完璧な1日を。

赤い海の波打ち際ではもう思い出せない。


2013.06.20

【呟き垂れ流し。】

▼うさぎさんが「男割り」っていうから

「大変だ!永井の尻が割れてる!」
 そう叫んだ沖田はおもむろに後輩の尻を鷲掴み力強いマッサージを開始した。
「しっかりしろ!」
「ちょっ、沖田さんやめてくださいよ!」
 腰をホールドされて逃げることも叶わず、揉まれまくる永井は既に涙目である。
「大変なのはてめえの酒癖だ」
 三沢の手刀が唸りをあげ、振りおろされた。

こうですか>男割り


2013.07.03
【流され系なーがいくん(処女)】

 沖田さんの部屋は居心地が良い。
 お邪魔します、と、あがりこむのも片手じゃ足りない回数になって、そろそろ緊張しなくなってきた。
 今日の目当ては、サッカーの試合中継。
 ビール片手に惜しい時には二人で悔しがり、ゴールしたら抱きあって喜んで、普段はすごく大人で落ちついている沖田さんがはしゃいでいるのがなんだか新鮮でそれも楽しくて……ちょっとドキドキしていたのがバレてなきゃいいな。バレてないよな?
 なにしろ、俺は、沖田さんが好きだ。
 人間としてはもちろん……たぶん、恋、とか、そういう意味でも。
 我ながらおかしいぐらい、沖田さんの一挙一動にきゅんっとときめいてしまうし、褒めてくれると浮き上がりそうになるし、ぎくしゃくすると目の前が暗くなるし、そこで笑いかけられると泣くほど嬉しい。
 沖田さんのにおいを感じるとすごくどきどきする。さっきも、点が入った時にぎゅっと抱き締められて、細身に見えるけどがっちりついた筋肉やら日向でよく干した枯れ草の甘いにおいと、ちょっぴり香辛料っぽい、なにに喩えたらいいかわからないけどとにかく吸い込むとふわふわ幸せな気持ちになってくるいいにおいがして、一気に頭に血がのぼって倒れるんじゃないかと焦った。
 俺も沖田さんも酒が入ってたし、赤くなったって、試合に興奮したのと酔っぱらったのと両方だと思ってもらえるはずだ。
 わかってる。どうかしてる。俺は男だし、沖田さんも男だ。
 どんなに好きだって、これはどうしようもない。
 だから、いつまでこうやっていられるのかわからないけど、とにかく、いま仲良くしてもらってるだけでいい。
 いつだか、永井みたいな弟が欲しかったなぁなんて笑ってた沖田さんに、俺も沖田さんみたいな兄ちゃん欲しいですって返したけど、ほんとうに、そんなもんでいいから。
 
 ……だから、なにも知らないで俺をもみくちゃにする沖田さんに、ふざけたふりで抱き着くぐらいはしてもいいよな。

 試合が終わって、飲み食いした後を片付けようとしたら「運ぶだけでいいよ」と言われてしまったので、寝る支度をする。
 最初は沖田さんが布団を敷いてくれてたけど、最近は「夏の布団しかないから」という理由で、沖田さんのベッドで一緒に寝ている……本当に寝てるだけだ。幸い、沖田さんのベッドはシングルにしては大きいし、俺も沖田さんもものすごく幅を取るってタイプじゃないから問題ない。
 自慢じゃないが俺はいったん寝たらまったく起きないし(その代わり、起きなきゃいけない時間に起きるのは得意だ)ドキドキして眠れない……なんてこともない。
 ドキドキしながらしっかり寝てしまう。ので、実は、一緒に寝てるのに沖田さんの寝顔を拝んだことがない。
 目は閉じてるのに、見てると「永井、眠れないか?」なんてハッキリした声で言って目を開けるので……慌てて目を閉じるととたんに眠くなってくるんだ。
「俺は寝つき悪くてさ。永井の寝顔見てたらつられてよく眠れるよ」
 そんなことを言われてしまった。……つまりそれって、俺が寝た後、沖田さんが俺の寝顔を観察してるってことだよな!
 いやまったく、得なんだか、損なんだかわからない。

 沖田さんより早く起きてやろうとしても、なぜだかうまくいかない。
 明日は……沖田さんの寝顔をじっくり見てみたいなぁ。
 そんなことを考えながら歯磨きをして、居間に戻ると沖田さんはまだ洗い物をしていた。
 先にベッドに入るのもなんだし、座って待つことにする……時計はもう、深夜二時を回ってる。昼間の訓練の疲れもあって、重くなってきた瞼をごしごしと擦ってみたが、眠気はどうも取れない。
 待たなきゃいけないと思いながら、俺は、ずるずる沈みこんでいった。


「永井、おい、永井」
 沖田さんが呼んでる。肩も揺さぶられてる。
「ベッドで寝ないと風邪ひくぞ」
 はい、と返事したつもりなのに、俺の口から出たのはむにゃむにゃと溶け切った声だった。
 がんばってるんだけど、目も開けられない。
 すみません沖田さん、俺はここまでみたいです……俺のことは気にせず、寝てください……。
 という気持ちが伝わればいいが、沖田さんは俺を気にして動かないようだ。
 覗きこんでくる気配がする。
「永井」
 静かに呼ばれて、わけもなく、ぞくっとした。怒ってるんじゃないみたいだけど、低く囁く声は、耳の底がくすぐったくなる。
 沖田さん、イイ声なんだもんな……。
 ほっぺたをつつかれ、こめかみから額、前髪の生え際あたりを撫でられる。なるほど、揺すって起きないならくすぐって起こそうって戦法か……沖田さんには申し訳ないが、撫で方が上手なのか、ますます眠くなる。
 するすると撫でられると、体の芯が溶けてく気がする。犬なら尻尾を振ってるだろうし、猫なら喉を鳴らしてるだろう。
 俺は人間なので、ふふっと笑った……声なんか出てないけど。だって、沖田さんに構われて嬉しいし気持ちいい。
 すると、沖田さんはちょっと考え事をするみたいに手を止めて……瞼の裏が暗くなったかと思うと、ソファに転がった上半身が重くなった。
 なに???
 なんだ????
「永井……」
 またあの声で耳元に囁かれて、吐息がかかるのにぞくぞくする。放りだしてた手を掴まれて、指の腹でゆるりとさすられる。
 沖田さんが上に乗っかってる、全身でおさえつけられて……つまり、密着してる。みたい、だけど。
―― いいんですよ、そんなにサービスしなくても!!俺マジここで寝ますから!!!むしろ床でいいぐらいですから!!!
 いやでも、これ、夢かもしれない。
 そうだよな。いくら俺が風邪ひかないか心配だからって、沖田さんが肉布団になってくれるわけない。わあ肉布団。なんかやらしい。興奮する。じゃねえよバカか俺。
 ……などと、半分寝てる意識の中でぐるぐる考えてるうちに、沖田さんは相変わらず俺の固くて傷だらけのクソつまんない手をふにふにと揉みつつ、俺のほっぺたに何か柔らかいものをくっつけてきた。
 うん?
 柔らかいものは、おでこにも、こめかみにもくっついてくる。
 これはまさか、まさかだけど。そうなんだろうか。
「あ……」
 俺が声をあげると沖田さんはまた止まって、それから、やたらと色っぽい溜息をついて俺の額を撫でた。……また、おでこに。
 もう、他の可能性が考えられない。
 これさ、キスだよね?だよな??
 起きるのが怖い。現実だったらどう対応すればいいかわからない。だって沖田さんは俺が寝てると思ってるし、起きたらやめちゃうんじゃないだろうか。夢だったらがっかりしすぎて泣く。
 どうしよう。どうしよう。
 俺が焦ってる間に、沖田さんは……満足してしまったようで、体が離れていく。
 え、待ってくださいよ。
 思わず、握られていたほうの手をくるっと返して沖田さんの指を掴んだ。掴んでしまった。
 沈黙が訪れる。沖田さんはそこにいるけど、なにも言わないし、身動きもしない。
 俺も、なんだか怖くて目をあけられない。
 ……が、もう、腹をくくるしかない。
 もし沖田さんが、万が一、なんかの手違いで俺の期待してるようなことを考えてたらそれはもう……千載一遇のチャンスだ。
 そうじゃなくて、弟みたいに可愛いと思ってる俺を、ちびっこ扱いしてるんだとしても……まあ、それはそれでいい。泣けるけど。
 酔っぱらってカノジョとでも間違えてたら?……笑って流そう。本気で泣くけど。
 そんなわけで、俺は、寝ぼけたふりを決め込んだまま、右手を沖田さんの腰に回して。
「おったさんー、もっと、ちゃんとしてください……」
 見事なふにゃふにゃ声で言ってのけた。……演技なんかいらない。実際、緊張やらなんやらで声がひっくり返りそうだったから。
 さぁどうくる、と、待ち構えてると、沖田さんがまた乗っかってきた。第一関門突破、みたいだ。
 キスされるかな。今度こそ、してくれんのかな。
 期待と緊張とで泣きそうなのを誤魔化して、はあ、と吐息する。沖田さんの気配が近くなって……首筋を、べろりと舐められた。
「っ!?」
 驚きすぎて一瞬、浮き上がりかけた体を押さえこまれ、寝巻代わりのシャツの中に手を突っ込まれて腹を、脇腹の上を撫で回される。
 え、ええええ、ちょっとちょっと待ってください沖田さん沖田さん!!
「ぅあっ」
 くすぐったいのとぞくぞくが止まらないので小さく叫んで、かっと目を開くと、目の前に沖田さんの顔があった。
 逆光で……試合を見る前に風呂に入ってたから、手櫛で撫でつけただけで乱れた前髪の色っぽさやら、こっちを見下ろしてる沖田さんの、なんていうか、真剣なんだけどぎらついた眼差しだとかに、全身が固まる。
「ながい」
 ひらがなでしか形容できない、ちょっと掠れてざらついた、それでいてヘソの下をダイレクトに直撃してくるえろい呼び方で、鼓動が爆発しそうになる。
「して、ほしい?」
 うわ。やばい。えろい。
 だって沖田さんだぞ。そんな、さっきまで普通に喋ってたしふざけてたのに。
 混乱する頭とは裏腹に、正直な俺の体はきっと2、3度は体温をあげたし、右手には力が籠もった。
 ほしい、ほしいけど、それより先に、言っておきたいころがある。沖田さんはどうか、わからないけど。
「……すきです」
 沖田さんに釣られたみたいな囁き声で言うと、沖田さんはちょっと驚いた顔をしてから……ものすごく、優しく笑ってくれた。
「うん。俺も好きだよ、永井」
 あ。
 さっき固まった全身が、ばらばらにほどける。赤血球とか白血球とか、そういうものぜんぶが合唱する。
 うう、好き。大好き。どう言えばいいかわからないぐらい好きです沖田さん!
「いま、起きてるよな?」
 急にいつも通りの、俺がなんかヘマやらかした時のちょいと難しい顔で訊いてこられたので、こくこくと頷く。
 沖田さんはにっこりと笑い。
「やっぱり、寝言じゃないっていいな」
 と、おっしゃった。


 …………寝てる時の俺が、沖田さんに抱き着いてくんくんにおいを嗅いでくるのはあたりまえ、「すきですー」などと口走るのもしょっちゅう、寝ながらチューぶっかましたこともあったと聞いたのは、ひととおり、やることやった後だった。
 沖田さんは、俺は誰にでもそんなことしてんじゃないかと心配して、同室の連中にそれとなく俺の寝相について聞いて回ったり、飲み会の時も俺が潰れたら速やかに回収するのに神経使ってたって、初めて知った。
 幸いにして、そういう寝相は沖田さん限定だったって。
 昨夜のあれは、酒の勢いもあって、俺が能天気にすやすや寝てるので『俺の気もしらないで』と軽くイラついた沖田さんが、なんというか……深く静かにキレた上の行動だったとかで。
 俺がビビったらやめようと思ってたけど、俺が顔真っ赤、心臓ばくばく言わせながら「もっとして」等と発言したので(してねえ)よし行ける!と判断したんだとかで。 
 でも今までさんざんやきもきさせられた分、ちょっと苛めましたごめんなさいって謝られたけど。


 とりあえず、塹壕に埋まりたいです。いま。




2013.07.17

(´-`).。oO(誰か軍服を着てチャーハンに入っているグリンピースを皿の端によけている永井頼人を描いてくれる人いないかなぁ…) shindanmaker.com/320837
 そして沖田さんに「好き嫌いがあると大きくなれないぞーwwww」と鼻をつままれ無理矢理飲まされるんですか

↓↓↓

「沖田さん…?」
沖田の手の中にある物を見て永井がさっと青褪める。沖田は性質の悪い笑みを浮かべ、永井の顎を掴み上を向かせ、唇の端から親指を突っ込んで無理矢理に口を開かせた。
「残すなんてお行儀が悪いぞ、永井ー」
ふざけた、軽い口調ながら手に籠もる力は強く反抗を許さない。
「やめてください…っ」
往生際悪くもがく永井の口元に、異臭を放つソレが突きつけられた。嫌だ。冗談だろう。まさか。
救いを求めて見つめる先、沖田の口角がさらに上がる。
「召し上がれ」
優しげな声と共に口に雪崩れこみ、舌の上を這い転がり、喉まで犯す不気味な感触。涙を流しえずく永井を、周囲の者は引いた半笑いで見ている。
野菜農家の息子なのにグリンピースが嫌い。
格好の弄り材料である。
息も絶え絶えになりながらも『いっぺん口に入れたものは出さない』という体育会系の掟に従い、吐き気を堪えて必死に飲み下そうとする後輩の苦悶をうっとりと見つめる二曹の目がガチで怖かった、というのが本日のハイライト。
<完>



あ、私はグリンピース好きです。



2013.07.26

【どこかから続いてたかもしれないっぽいし】

 結局、こうなってしまった。
 立てっぱなしの半分壊れた雨戸の隙間、染みだらけのカーテン越しに差し込む薄明かりに順応した目が、部屋の惨状を映す。
 脱ぎ散らかされた迷彩服と着物、青い帯……隣でにやにやと締まりのない笑みを浮かべている闇人。
「もっと寝てても良かったのに」
「ガン見されてたら目ぇ覚めますよ」
 口を尖らせると、沖田は低く笑い、永井の剥き出しの肩に手を滑らせた。
 手袋をしていない真白の指が肩を撫で、背筋を這う感触に吐息する。腰まできたところで止まったので、つねるのはやめておいた。
 抱き寄せる動きに逆らわず、黒いTシャツは着たままの胸に擦り寄る。……これでも進歩したほうだ。すこし前まで、永井から剥いでやろうとしても、迷彩服は頑として脱がなかった。
 理由は薄々わかっている。沖田の致命傷となった傷跡を永井に見せまいとしているのと……半袖の袖口から覗く、赤黒い不気味な斑紋、あれは服に隠れた場所に繋がっているに違いない。人間ではなくなっているのは明らかだし、今さらどんなものを見せられても平気なのに。
―― お前に嫌われたくないんだよ。
 いつぞや冗談めかして言ったのは、たぶん、本心なんだろう。
「沖田さん」
「ん?」
「いま……何時ですか」
 はめたままの腕時計を見やり、「マルヨンフタナナ」と沖田が答える。
「何曜日なんでしょうね」
「さぁなぁ」
 去年は月曜日だった。
 朝の町で沖田に並んで歩きながら、あかるい場所では手をつなげないのだと、仕方のないことがすこし寂しかった。……偶然のように、手の甲を触れ合わせてきた沖田は永井の気持ちを見越したように、笑った目をしていたけれど。
 あのとき、沖田の右手は同じ寂しさを持っていただろうか。
 沖田の腕にてのひらを添わせ、軽く握る。
「今日は日曜ってことにしときます」
 数度またたいた沖田が、目を細める。
「じゃあ、ゆっくりできるな」
 腰に置かれた手がいやらしく蠢くので、今度こそつねりあげる。
「そういう意味じゃねーよ」
「素直じゃないな、頼人は」
「誰が頼人だ」
 さほど堪えた様子もなく、馴れ馴れしく名前を呼んでくる闇人は懲りるということを知らない。暫しの攻防の末、永井を組み敷いた彼は口角をつり上げて笑っている。
「にやにやすんなよ」
 感情が籠るようになったせいか、最初の頃に比べたらずいぶんと人間らしくなった、それでも人間の沖田はしなかった獰猛な表情は、実のところ、さほど嫌いではない。
「するさ。頼人が可愛いから、こういうこともしたくなる」
 かたさを帯びた下肢を擦り合わされ、否応なしに意味を知らされる。……しっかり疼き、反応を引き出されてしまう自分の体が恨めしい。
「根性出せよ、永井頼人」
「っ……るさい」
 やられっぱなしでたまるかと唇をつつく指に噛みつくと、声をあげて笑われた。



 夕刻。
「おたんじょーびおめでと永井ー……って、死んでるよ」
 遊びにきた闇人たちは、寝床にぐったりと伏せた永井を見て、顔を見合わせた。
「寝てるから、静かにな」
 家主である沖田は、心なしかいつもより肌艶もよくイキイキとしている。正真正銘死んでいるが。
 ついでに言うと、闇人トリオが軽くヒくほど爽やかな笑顔だ。
「まさか、昼間ずっとヤッてたのか……?」
「どうだろ」
「……昨夜からずっとギシギシアンアンだった……」
「あー、パンダんち、真下か。それでいつもより三倍の隈があるんだ」
「泣くなよスコップ、わかってただろ」



2013.08.05

▼残念な沖田さんフルスロットル
二曹の爽やかな微笑の裏側。
『無邪気な笑顔に邪な気持ちが浄化される。もう永井を性的な目で見るのはやめよう。信頼と敬愛をもってなついてくる後輩を不純な目で見てはいけない。しかし本当に可愛いな何で可愛いんだろうな性格と顔と仕草とあとアレだ体つきがエロい。鎖骨と腹筋と足首とry』


2013.09.09


【澪さんのアイスたべてる士長絵にみなぎった結果の断片】

 壁に背を預け足を投げ出した格好の永井を覗きこむ沖田は、とびきり悪い顔をしていた。
 その手には、最前まで永井がかじっていた練乳入りの棒アイスが握られている。
 鎖骨までTシャツをめくり上げられ、あらわになった肌にアイスを近付けられて、まさかと思う間もなく先端が胸に触れた。
「っ!」
 冷たさにびくりと上半身を跳ねさせた永井の胸筋を縁取るように撫でられる肌が粟立つ。
「沖田さんっ」
 淡い色を見せる乳首の上をからかうようにくるくると滑る氷菓子の感触に、咎める声が詰まり、切迫の響きを帯びる。冷たさに固く凝った尖りが、まるで感じてしまっているように見えて羞恥が込み上げた。
「やめてください……」
 壁に預けた背をずりあげ、押し退けようと突き出した手を、沖田はなんでもないように押さえ込み、永井の投げ出された足の間に体を割り込ませてくる。
 鎖骨の下を撫でたかと思えば、脇腹をつつく冷たさにいちいち体が跳ねる。体温があがったせいか、白い練乳が溶けだし、とろりと濡れた軌跡を残すのが別のものを連想させていやらしい。
 思わず唇を引き締め、膝を曲げて縮こまる永井を見て、沖田の笑みが深くなった。
「甘そうだな」
「べとべとですよ」
 拗ねた上目で睨むと、沖田はまったく反省していない顔で「悪い悪い」と嘯いた。
「だったら、綺麗にしてやらなきゃな」
 言いながら、口許に持ってこられた氷菓……先ほどまで自分の肌を弄っていたものだと思うと抵抗はあるが、食べ物を粗末にしたくはないという大義名分および、これ以上、沖田に持たせておきたくないという本音に促されてぱくりと食いつく。
 めくれたTシャツは汚れそうで下ろせないまま、急いで平らげてしまおうと緩くなった氷をかじりつつ、離れていく沖田を見ていると、タオルを手に戻ってきた。
「そこに置いといてください。自分で拭きます」
 奥歯に来るほど甘い練乳を飲み込み、半分になったアイスを片手につんけんと要求する。
「そう遠慮するなよ」
 沖田は楽しげに近付き「はい、ばんざーい」などとのたまう。今日は永井の世話焼き……というか、いじって楽しみたい気分らしい。
 実のところ、構われるのは満更でもないので、どうしようもない先輩だ、と諦めたポーズを装って両手を挙げる。と、沖田はあっという間に、永井の両手をまとめて縛り上げてしまった。
「……え」
「綺麗にしてやるから、な?」
 にこりと笑んだ沖田の顔が剥き出しの胸に近付き、色の薄い舌をのばして、肌の上に留まっていた白い軌跡を舐め上げた。
「――ッ!」
 ぞわりと、アイスを押し付けられた時とは違う戦慄が皮膚の下を走った。


*****


てとこで、放置してたよ!!
こんな書きかけが3桁あるよ ・゜・(つД`)・゜・
だめじゃんよね。


2013/09/23 17:55
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