君の言葉に貫かれた 


「っ……なんで……。」
「そのまんまだよ。僕にローは幸せに出来ない。」
僕は言葉を繰り返す。
「ローは強いし、能力者だ。クルーからの人望も厚い。そして、美しい。」
ローの目線が少し緩まる。
「そんな貴方に、僕が釣り合う訳がない。」

「っ、釣り合うとか、釣り合わねぇとか、そんなのどうでもいいだろ……っ!」
悲痛な叫びが船長室に響く。
「クルーの誰かに言われたのか?釣り合わねぇって……、誰に言われた!」
僕は静かに首を振る。僕が思ったんだ。僕が決めたんだ。僕に貴方は相応しくない。
「なんで……っ、なぜ……、おれはお前が好きだ。釣り合うとか、釣り合わないとか関係ない。おれが好きなんだ。一緒に居たい。」
男性、お前は違うのか?縋るように発せられた言葉に心が揺らぐ。ローの事は嫌いじゃない。むしろ今でも好きだ。一緒に居たい。

君の言葉に貫かれた


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