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お昼を食べに行って、家に帰ってきたのが3時で、なんかいろいろあって疲れて寝ちゃって、起きたらもう8時半だった。

真っ暗な部屋。
手探りで携帯電話を探して、画面の明かりを頼りにのっそりと起き上がる。

部屋の電気を付けて、またベッドにダイブした。
なんでこんなに疲れてるのかわからない。

携帯電話の画面を見ると、着信が二件あった。

まさかと思って見てみると、紗和子と折原先輩からだった。
なんでだろう、嫌な予感がする。

「…もしもし、折原先輩?」
『あ、やぁ』
「いや、やぁじゃなくて…。なにか用ですか?」
『うん、聞きたいことがあって』

聞きたいこと。たぶん牧野先輩だ。

でも折原先輩は全く違う質問をしてきた。

『半田さん、今日来た?』
「!」
『たぶん来てないと思うんだけど』
「…はい、紗和子は来ませんでした」

あは、やっぱり、と折原先輩は楽しそうだ。

まさかこれも計算のうち?あの人ならありえる。

「…あの、折原先輩?」
『うん、聞こえるよ?』
「もしかして翔也が?」
『うーん、別にそうしたつもりはないんだけどね。梓ちゃんはどうしたい?』
「…部活ですか?」

それ以外に何があるの、と折原先輩は見透かしたように笑う。

「…流れに任せようかと思います、だから…うん、大丈夫です」
『そっか。やっぱり君らしいね。私に任せるとか言ってたのに』
「いいんです別に。不幸体質なのは慣れてるんで」
『そっか。牧野さんは?』
「それがなんだか、心機一転と言いますか、真面目でした。ただなんか…こう、違和感ありました…って、なんであたしはこんな話を…」
『私の為だと思ってさ。うんありがとう、よくわかった。ばいばい』

と折原先輩は一方的に電話を切ってしまった。

何がよくわかったんだろう。

するとブルブルと携帯電話が震えた。
急いで手に取ると、紗和子からだった。

「……もしもし」
『あ、梓。今大丈夫?』
「うん。あたしも電話しようと思ってたとこ」
『うん。今日はごめんね。無断欠席しちゃった。明日は絶対、行くから』
「ううん。気にしないで。ただ連絡してね、心配したから」
『うん』

どことなく元気のない紗和子の声。
多分紗和子は翔也から何かされたか、言われたに違いない。

『あのね、梓』
「なに?」
『…ごめんね、私』



『今月で部活やめる』



想像していたことなのに、いざとなるとなんだかムカつく。

不思議なもんだ。




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