明日はお天気 | ナノ

 07

それから何があったのかは知らんけど、始業式を迎える朝がやって来た。

午前中はホームルームと始業式、何故か午後から入学式。

廊下に張り出されたクラス替えの紙から俺の名前を見つける。
7組だった。

「…!あ」

7組には小野寺アンナの名前もあった。
まさかと思ったけど同じクラスになるとは。

「……」

周りは早くも小野寺の名前に気づき、誰だ誰だと騒いでいた。
この中であいつ知ってるの俺だけか、と思うとなんだか居心地がいい。
なんやろな、これ。

ああ、ちなみに新曲は最後の最後まで頑張ったけど無理やった。
歌詞の神が降りてくるのを待とうと思う。

教室に入ると顔見知りは結構いた。
まぁそれはええんやけど、それよりパソコンがしたかった。

あ、そういえば漫画の新刊出てたんや。帰り本屋寄ろう。

あー退屈や。
はよ終わらんかな、入学式。


07#学校


でもその前に大きなイベントがある。

ホームルームの最中。
俺は少し緊張していた。自分でも意味がわからんけど、黒板の前に担任と一緒に立っている金髪を見て、緊張した。教室もざわざわしている。
カイジかオイ。

文字は書けないらしく、担任が代筆して黒板に小野寺アンナと書いた。

「今日から二学年の仲間になった小野寺さんや。フランスに住んでて、日本語にはまだ詳しくないそうです。お前ら教えたってな。…じゃ小野寺、軽く自己紹介せぇ」

担任が小野寺に促すと、小野寺は軽く咳払いをしてからクラス全体を見渡し、またその間俺と目が合い少し驚いたようで、でも空気を読んだのかにこやかに笑った。

「アンナ言いマス。フランスから来ました!どーぞよろしくデス!」

その声にまたクラスはざわついた。

「お見苦シイカモしれまセンが、ニホンゴ頑張りマス。仲良くシテくだサイ!Enchante!」

最後のフランス語にテンションが上がったのか、ちらほらと感嘆の声が聞こえた。

これならなんとかやれそうやな。

「好きなものはジャパニーズアニメデス!」
「!?」

その一言でざわつきは一旦止まり、すくまたざわつき始めた。

うわあああやりやがったでコイツ。
クラスのオタクが一斉に小野寺をギラギラした目で見た。

「でもニホンにはもっと素晴らシイアニメたくさんある聞きました!皆さん、いろんなアニメ私に教えてくださいネ!中でもxxxHOLiCが好きデス!」

その声に反応した側隣の女子。
なんやこのクラス、結構オタク多いな。

…でもまさかxxxHOLiCが好きだとは思わなかった。なかなかやるな、あの金髪。

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