明日はお天気 | ナノ

 18

「…」
「誰にも言わんから」
「…おおきに」

バレた。いや別に寺本にならバレてもいい。…でも、なんで

「よりによってゆるゆりでバレんねん…」
「見事にハモったもんなぁ…」

授業の用意をしながら寺本が言った。


18#認識


ここまで来たので俺は寺本に全部話した。オタクを否定するわけやないけどなんかこっぱずかしいので自然とオタクであることを隠し、自然とバレればいいやと思ってた俺。
寺本は珍しそうに話を聞いていた。

「まぁ、財前がオタク隠すのなんかわかるわ。いや財前だからわかる」
「マジか」
「うん。…え、じゃあ財前がオタクって知ってるの少ないん?」
「いやボチボチいる。全員口止めさせてる」
「徹底的やね」
「広まったら面倒やろ」

一時間目、社会。ちなみに歴史。
アンナは別室で授業らしく、さっき寺本と女子数人が送ってった。

ちなみに二人の仲は結構良好である。あと昨日の一件の女子もアンナに謝ってた。まぁええんちゃうの。

俺はと言うと、寺本になんて言おうかと悩んで今このザマである。

…どうしよ、これ言おうかな。

「…あと、趣味でサイトと曲も作ってる」
「あ、そうなん?私も趣味で創作サイトやってんで」
「ホンマ?どんな?」
「古キョンのホモサイ――…っ!」
「お前もようぶっちゃけるな」

実際にハッとした寺本。そりゃそやわ。
古泉とキョンかいな。なんと王道な。

「いやでも!時々リバも――」
「言い訳するどころか深まってく一方やで」

…あれ。なんか俺らも仲良くなってへん?なにこれ。でも腐女子も新鮮やな。俺のことオタって知ってる奴別にオタでもなんでもないし。

「…あれ。そういやアンナは財前がオタクやって知ってるん?」
「まぁいつかバラす。あいつめんどいし…あいつもオタクやし」
「彼女に隠し事も嫌やしなぁ」
「いや付き合ってへんから」
「は?」
「たまたま近くに引っ越してきて、たまたま親同士が仲良かったから何かと面倒見とるだけ」
「あ、そうなんや。…でも昨日助けたんやろ?」
「アイツ話したんか」

寺本が微笑ましいと言った様子で俺を見てくる。なんやねん。

「ええとこあんなぁ」
「そりゃどうも。他にアンナなんか言っとった?」
「なんか悪そうにしてたなぁ。きっと帰りのことちゃうん?」
「あー……」

昨日の今日やし、悪いと思ってんのかな。一緒に帰るくらいホンマ気にせんでええのに。

ふー、とため息つきながらノートを開くと、寺本が言った。

「なんか二人、とらドラの大河と竜児みたいやな」
「…そうか?」

寺本が笑った。
確かに、想像すると笑える。

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