2/3兄ちゃんまで風邪を引いたらしい。……これ私のせいじゃないのか?
ピピピ、と無機質な音が鳴った。
脇に挟んだ体温計を取り出して見てみると、36の数字。
「…熱もうないや」
昨日の夜からだるくて、早く寝たからなんとか今、熱が下がった。
んー…。
でももう8時半だし、サッカーの練習行くのはちょっとなぁ…。
それに、姉ちゃんには絶対止められるだろーし。自然と枕元にあるPSPに手が伸びた。
……いや、だってやることないんだもん。
じゃ、まぁ一狩りいきますか。
結局バレた。
「…ごめんなさい」
「目が悪くなります」
「ですよねー……」
反論できねぇ。
姉ちゃんの手には私のPSP。
「熱は?」
「下がった」
「じゃ、安静にしてなさい」
「…はーい……」
有無を言わせぬ迫力。
うん、安静にしてよう。姉ちゃんに迷惑かけちゃ駄目だ。
兄ちゃんまでダウンした今、姉ちゃんに頑張ってもらうしかないもんな…。
今度、アイスでも奢ろう。
「あっ、待って姉ちゃん狩りの途中なんだって!」
「…代わりに狩っておきます」
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