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「私が君のその手を取れば、物陰に隠れているつもりの何百人の生徒が私を笑い者にしてまた私を陥れる、っていうシナリオかな?」

心亜が笑って言った。忍足の目が見開いた。

「わかりやす。馬鹿っぽ。何を粋がってんだか。んで、この上にも何人かバケツ構えてスタンバイ、窓に何人かいるから写真でも撮るのかな?」
「なっ…」
「何で知ってるか?内緒。さぁて、そろそろ暴れるかなぁ…」

不適に微笑む心亜。口元の血が滲んだ。
忍足はそこでやっと理解した。

「…ちょお待て、何する気や」
「さぁ?」
「敵うと思っとんのか?底辺のお前が」
「超思う。だって私は強いから」

次の瞬間、忍足の拳が心亜の顔に向かった。
だが心亜はそれをするりと、舞うように交わし、忍足の懐に入る。

「おっせーんだよバーカ」

忍足の返事は聞かぬまま、心亜は忍足の腹に右膝をめり込ませた。
ドスッと音がすると忍足は小さく苦しそうな声をあげ後方によろめく。

心亜はパーカーにポケットを突っ込んだまま、次は左足で忍足を蹴り飛ばした。

「うっわよっえー」

クククと笑うと、その一部始終を見ていた何百人もの生徒が一斉に現れた。
男子も女子もいる。

「…次だぁれ?」

ニヤリと笑う心亜に、さっきの女と跡部が近づいてきた。


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