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授業中に居眠りして目が覚めたら、学校の屋上にいた。
「…あるぇー……。雅治のイタズラか…?」
くあぁ、とあくびをしてとりあえず屋上を後にした。
あ、雅治発見。
あの野郎白々しい顔しやがって。
「おい雅治ー!何してくれてんの全くー」
「……」
「……あれ?」
あいつ普通にシカトしやがった。
は、なんだあいつ新手のいじめか?
「ちょいとちょいと雅治くん?何シカトぶっこいてんだー…よっ!!」
俺を無視した雅治の背中にドロップキックをお見舞いした――はずなのに
スカッ、と
「は?」
俺の足は雅治の体をすり抜け、また全身がすり抜け、廊下へ着地した。
「…は?」
そして俺の頭がプチショートしてる間にも雅治は俺をすり抜けてくてく廊下を歩いて行った。
…ホワッツ?
そして呆然と廊下に座りこんだ俺をまた何人もの人間が俺をすり抜けていった。
「……ナニコレ?」
え…これ俺…他人から見えてない?
いやいやまさかそんなことないよな。
俺は通常時の意識を取り戻し、立ち上がり雅治を追っていった。
「雅治!?ちょ、聞いて聞いて!!俺不思議な力宿ったよ!!おいちょっと聞いてる!?ってか俺を屋上に連れ出したのお前でしょ?…って話聞けやぁああ!!!」
右パンチを雅治の頭にお見舞いした。
でも――
スカッ、と。
俺の握りこぶしはまたすり抜けた。
あ、これ、マジだ。
しかもなんか、心なしか皆俺を見ていないように見える。
そして心なしか、見たことない顔ばっかだ。
…ホワッツ?
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