氷帝-1

「やっぱ自分の部屋にテレビがあるのっていいよな」

サラダにドレッシングをかけながら七条が言った。

「せやな」

俺は適当に相づちを打つ。

「まぁ、忍足のことだから深夜のエロい映画とか見てるんだろーけど」
「見るかボケェ」

現役受験生ナメんな。んな時間ないわボケ。

「あ、ちびまる子ちゃん始まった」

岳人が忙しくリモコンを取りチャンネルを変える。

「忍足、醤油とってくれ」

宍戸が俺にそういうもんやから、俺は醤油を取る。

「ん。ってちゃうわボケ。早く帰れ馬鹿」

現在、日曜の夜6時。ゆっくりしたかった俺の休日はこいつらによって奪われた。



事の発端はウチで勉強会しようと提案した岳人からの電話だった。返事をする前にこいつらは俺の家に上がる始末。
実は既に4人は俺の家の玄関前にいて、そこから電話をしていた。呆れた。
で、勉強会ゆーか、俺の宿題を写して午前中が終わる。よし帰れ、と家から追い出そうとしたらじゃあ川原行こうぜとなり、なぜか川原で小学生と鬼ごっこをするハメになった。

結論からしてめっちゃ疲れた。何で今の小学生は元気やねん。家でゲームして遊べや。
しかも七条一番なつかれとったし。小学生が「司〜」なんて言って抱きつくと、七条は見たことない笑顔でいってーな、といいながら頭を撫でる。
それを見てたいたおばちゃん二人がヤンキーが子守りしとるなんて言ってた声が聞こえた。いやいやちゃいます、この中で一番真面目なんはそいつなんです。
で、果てには遊戯王カードでバトルするハメになった。
ジローと岳人が何故かカードを持っていた。何で持ってんねん。
で、よし今度こそ帰れと家に戻り荷物を渡し追い出そうとするとオカンがご飯食べていきなさいなんて言った。空気読め。

で、今に至る。



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