立海-1

忍ぶれど 色にいでにけり わが恋は

「……」
「…」
「…ちょっと待って。今キテるから」
「何も言ってねぇだろぃ」
「やめろやめろ、まだ何も言うな。俺のタイミングでやらせろ」
「……しゃあねぇなー。ヒントな?最初の文字は、「も」」
「…も…も、も…最上川…いや違うな…」

楓と丸井の2人から少し離れた席で、俺は2人を観察していた。
目の前にいる柳生が俺の視線に気づいたらしく、2人に目を向けた。

「……?あの2人は何をしてるのですか?」
「百人一首の暗記じゃて。校内百人一首大会に向けて」
「なるほど」

と、俺も柳生も楓の回答を見守ろうと、うんうん唸っている本人を見ながらエールを送った。
するとハッと顔を上げた楓。念が通じたか。よかったよかった。

「モブキャラなんかに、渡さねぇ!!」
「「「違う!!!」」」

計3人からのツッコミをもらった直後丸井から教科書を叩きつけられ、楓は頭を押さえた。

「…今のは、彼が悪いですね」
「あれが本気の答えじゃったら数倍タチが悪いぜよ」

ナイスブンちゃん。


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