立海-2

「ちょっとー…。誰。勝手に洗い終わったカゴの中に汗と泥で汚れたTシャツ入れたの」

七条が嫌そうな声でコートの中に入ってきた。その言葉にレギュラー達は顔を向けた。

「やめてよホントさー。新手のイジメ?洗い直さないとじゃん」
「ちょ、勝手に決めつけんなよ!俺を見るな!」

七条から冷たい視線を送られている丸井が叫んだ。

「えー違うの?」
「ちっげーよ!!」
「じゃあ…柳生?」
「違います。じゃあで何で私になるのか意味がわかりません」
「いや、小さき反抗かなぁと」
「しません。とにかく私じゃないです」
「んー……」

顎に手をあてて何かを考える七条。絵になるな本当に。
黒髪に似合う黒い眼鏡と、高い身長。テニス部のマネージャーになる前から人気はあると聞いていたが、女が騒ぐのも無理はないか。かくゆう今は、七条のファンもテニスコートにきている始末。
まぁ確かに、外見はいいが…。少々問題がある。

「…しょうがない、立海のバーローと呼ばれているこの俺の出番か」
「何言っとんじゃお前」

中身がちょっと残念だったりする。

「どうしたまさは…じゃなかった、立海の高木刑事」
「勝手にキャスティングすんじゃなか」
「ブン太はゲン太だよね。名前も体型もなんか似てるし」
「似てねぇよ!?体型は似てねぇよ!!」
「柳は阿笠博士」
「嬉しくないぞ」

あっはっはと笑う七条。
最初はもっと真面目な奴だと思ったがそうでもなかった。
真面目≦天然<<<<<<馬鹿(アホ)
これがよくあう。
そんな解析をしている間にも、立海のバーローこと七条は推理をしている。
誤解がないように言っておくが、誰も七条をその名で呼んだことはない。

「まぁ俺の推理からいくと部外者ぶってるやな…阿笠博士が怪しいよね」
「面白い推理だな七条」
「博士…まさかあなたが…」
「悪ノリするな」

あっはっは、嘘嘘、と笑って七条は言った。
そして同時にコートの中に入ってきた赤也を見つけ、ビシッと指を指した。

「犯人は…あなただ!」
「うぇえ!?」

勝手に犯人に仕立て上げられた赤也は思った通り、動揺していた。っていうか展開早いな。

「え、何のっスか!?」
「お前汚れたTシャツカゴに入れたろ?」
「うっ」
「え、まじで?ノリだったのに」
「おまんの推理力半端ないな」
「す、すいませんした!!」
「えー?許さねぇよ?」
「怖ぇよオイ」

犯人が見つかった。なんて呆気ない終わり方だろう。こんなコナンみたことない。

「ちょうど暇だし、真田に「犯人はあなただ!」って言いながらテニスボールぶつけるなら許すけど」
「死ねってことっスか?!」

騒がしい。今のテニス部を説明するのによくあてはまる言葉だ。



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