氷帝-1

「テストテスト言われると、逆に勉強する気起きないよなぁ」
「あー、確かにな」

テスト一週間前には部活が休みになるので、今日がテスト前最後の部活。向日と忍足の中学生らしい会話を聞きながら、司は部室にあるソファーで寝そべりながら歴史の教科書を読んでいた。

「まぁ、前からちょくちょくやっとったらええんちゃう?」
「テスト勉強は自分を追い込んで前日に徹夜するもんだろ」
「…それ効率悪くね?」

向日みたいな奴がいたなぁと一中にいるメンツを思い返し司はつっこんだ。

「なんや七条。歴史の教科書?」
「おう。…じゃあなんか一問問題出すから答えろよ」
「えーいきなりやなぁ」

と苦笑いする忍足と、よっしゃ来いと意気込む向日。司はパラパラーと教科書をめくった。

「じゃー第一問」
「デデン!」
「なんやそれ」
「効果音」
「あっそう」

忍足は疲れていたのであまり深く追及しなかった。

「これかなり上級」
「答えられるやつにしてや」
「俺が今見ているページは何ページでしょう」
「知らんわ」
「…196?」
「違う」
「答えなくてええねん」

ここには忍足一人しかいないので忍足以外つっこむ人がいない。
忍足の苦労もいざ知らず司はボケに回ってしまった。

「正解は169」
「うおおおお超おしくね!?」
「いやおしいけど。…歴史の問題出してや」
「あー…じゃあ…。第一次世界大戦で日本は連合国側に味方したがそれはなぜか。20文字以内で説明せよ」

すると少ししてから向日がハイッと挙手した。ちなみに忍足は答えがわかっていたがここで自分が答えても面白くないと思い黙っておくことにした。さすが空気を読める男。

「はい、じゃあ向日」
「成り行きで!」
「歴史的事件に成り行きとかねぇから」
「じゃあ誘われて?」
「そんな茶会じゃねーんだから。忍足、答え」
「え、ああ。日英同盟組んでたから」
「字足らずでマイナスだな」
「厳しっ!あってるからええやん」
「バーロー最低8割書け。基礎の基礎が怖いってテレビでも言ってただろ」
「えー…」
「なぁ、日英同盟って何?」
「お前大丈夫か?」





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