立海-1

楓は保健体育の教科書をペラペラめくった。

「第一問」
「おうよ」
「男にあって女にないもの、それは何?」
「おーい馬鹿かお前」

ブン太が見境なしにつっこんだ。

「ってか、なんでテスト勉強が保健体育なんだよぃ」
「いいじゃん。丁度興味のある時期でしょブン太は」
「俺の思春期はもう過ぎた」

まさか昼間からこんな問題出されるとは思わなかった。

「なに?もしかして…知らないの?」
「いや知ってるけど言っちゃ駄目だろここでは」
「とか言って知らないんじゃないの?」
「いや知ってるよ」

軽いセクハラである。だがブン太は逃げなかった。かと言って答えられるわけでもなかった。答えたくなかった。

「なにやっとんじゃ?」
「あ、雅治。雅治なら知ってるよね答え」
「なんの?」
「いやいや聞くなよ」

こんな恥ずかしいテスト勉強初めてだとブン太は目の前の二人の友人を見ながら思った。

「男にあって女にないもの」
「ぷっ…何じゃ、簡単ぜよそんなの」
「おいお前なんで笑った?」
「まさかブンちゃん…男なのに知らんのか?」
「いや…まぁ知ってるけど」
「じゃあ言ってみんしゃい」
「う…」
「ちゃんと言わなきゃわかんないよ?」
「だから…まぁ…」
「あ、もしかして名称知らないとか?」
「いや、だから」
「まぁ意識したことないしのぅ」
「いや、あの」
「喉仏とか」



「………ノドボトケ?」
「うん、喉仏」
「……ああ、うん。そうだな」
「…!?もしかしてブン太、まさか…アレだと…!?」
「いや!違う違う違う違ぇから!いや一瞬そうだとは思ったけど真っ昼間からそんな、いや、ほら、アレじゃん!?」
「ブンちゃんやらしい!変態!近寄らないで!」
「うっわー…引くわブン太」
「問題出したお前が何言ってんだよぃ!?」

羞恥プレイもいいとこである。


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -